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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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2010年 10月 18日 ( 1 )

つるにょうぼう



読んであげるなら 6、7 歳~


(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)

むかし、あるところに、びんぼうな わかものがあった。

ふゆも ちかい ある日のこと。

じぶんの 田を もたない わかものは、人にやとわれて、

よその 田を たがやしておった。

すると、一わの つるが ひらひらと 天から まいおりてきた。

どこか けがを しておるらしく、

とんでは よろめき、よろめいては とんで、

わかものの 足もとまで くると、そのまま 

くずれるように たおれてしまった。




 * * * * *


(以下、あらすじです)


若者は、ツルの羽に刺さった一本の矢を引き抜き、傷口を洗ってやった。

ツルは元気を取り戻し、若者の真上を三度廻って、こうーと鳴いて見えなくなった。


それから幾日か経った、小雪の降る晩の事。

「どうか ひとばん とめてください。」

と、美しい娘が若者の家を訪ねて来た。

「おらの うちは、このとおり おまえさまを ねせる ところもねえ。

だが、そとは さぞ さむかろう。

こんなこやで よけりゃ さあ、中に はいって 火に あたれや。」


中に入った娘は、

「・・・・あなたの よめさまに してもらいに ここへ きました。」

若者はたまげて、口をぽかっ。

「貧乏だから、嫁様など持たれん」という若者に、

「貧乏なんてかまわない」という娘。

翌日から娘は気持ちよく働き、若者は仕事に精を出し、夢のような幸せな日が続いた。


ある日、嫁様が若者に言った。

「はたおりを したいのです。はたばを こしらえてくださいな。」

娘は機場に入る前に、

「七かのあいだ、はたばを のぞいてはいけませんよ。」

と言って機織りを始めた。


きっこ ぱたん

きっこ ぱたん




七日目の朝。ほっそりと痩せた娘は、見事な布を持って出て来て、こう言った。

「この ぬのを まちに うりに いってください。

でも、百りょうより やすく うってはいけませんよ。」



その布を、殿様が百両で買いあげてくれた。

「これは“つるのはごろも”という、よにも めずらしい ぬのじゃ。

また こうてやろう。いつでも しろへたずねてまいれよ。」



初めて手にした小判を見て、大喜びの若者に、娘はもう一反織ってくれると言った。


若者の家に、小判がどっさり入ったらしいという噂は、すぐに広まり、

村人が代わる代わる訪ねて来た。

村人達を返すと、若者は機場の様子が気になった。

糸も持たずに、どげにして、あのような見事な布を織り上げるのだろう・・・


「えい、ちっと のぞくだけだで。」


* * * * *


「つるのおんがえし」と「つるにょうぼう」の違いをご存知ですか?

松谷みよ子さんの描く「つるのおんがえし」でツルを助けたのは、おじさんとおばあさん。

助けてもらったツルが、その恩返しに機を織るというもの。

松谷みよ子さんのは、鳥取県に伝わる「つるのおんがえし」から取ったものだそうです。

しかし全国的に見ると、この報恩譚型は少なく、殆どは「つるにょうぼう」型だそうです。



自分の田畑を持てず、人の田畑を耕して暮らしている、貧しく孤独な若者。

そこに現れた、美しくよく仕えてくれる女房。

それは、嫁さんも持てない、農家の次男三男坊の夢だったのでしょう。



「つるにょうぼう」は、佐渡に伝わる「鶴女房」を元にしているそうです。

木下順二の「夕鶴」も一緒です。



その原話とは・・・


「昔、貧乏な家の兄(あん)ちゃんが、毎日人の仕事をうけおって、

田打ちに歩いて暮らしていた。

ある日、田を打っておったら、その畦へきてつるが一羽とまった。

そのつるはからだに矢を負うていて、これをとってくれといわんばっかりに、

兄ちゃんのほうを見た。

・・・・・・(省略)・・・・・

つるは兄ちゃんがのぞきみしたのに気づいて、

「見るなというに、見たさかいに、おれぁこれでひまをもらう。」

といって、半分織りかけにしたまま、バタバタとんでいってしまったと。




えっ、これで終わり?

何とも、無情過ぎやしませんか~っ!!!


* * * * *


今日は、月に一度の「この本だいすき」の支部例会の日。

今回、私は読み手でした。

そして読んだのは、この「つるにょうぼう」ではなく、

こちらの「つるにょうぼう」




先日、園での読み語りで、神沢さんの「つるにょうぼう」を読もうかと思ったのですが、

二人組での読み語りでは、到底時間が足りなくて断念!


一方、5歳~とある、矢川澄子さんの文章は、表現があまりにも難しすぎて、幼児には不向き。


なので、全く違う物を読みました。


そして今日。

矢川さんの美しすぎる表現力と、赤羽さんの美しすぎる画に魅了されていた私は、

読まずにはいられなかったので、大人ばかりのこの例会で、読んじゃいました(^^)


読み終えて、小松崎先生の寸評は・・・

「文学的過ぎる! 民話というのは、もっと素朴なもの」


確かに!

神沢さんの「つるにょうぼう」は、小さな子でも分かりやすい言葉で、会話も多く読みやすいです。


しかし、絵が・・・・

赤羽さんのに比べるとね~(^^;)


最期のぺージの、若者と鶴の別れのシーンは特に残念!

見開きの左のページには、「もうひとつの民話」というものが紹介されていて、

「つるにょうぼう」の余韻を感じる間がないのです。


赤羽さんのは素晴らしい!!

つるにょうぼう_e0160269_15333067.gif


つるにょうぼう_e0160269_15244733.gif


美しすぎます。

松井直さんが「絵本を読む」の、「『つるにょうぼう』の心と技」の項に、詳しく解説されています。

興味のある方は、是非どうぞ!

松居 直
日本エディタースクール出版部
発売日:2004-04





ところで、

神沢さんの「つるにょうぼう」は、巻末にこの本だいすきの会の代表小松崎進先生の解説付き。

先生は、「むかしむかし絵本シリーズ」に携わっていらしたんですよ。



う~ん、絵本選びって、ほんと難しい!!!




最後まで読んでくださって、ありがとうございます。



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by yomuyomuehon | 2010-10-18 15:36 | 昔ばなし