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読んであげるなら 5,6歳~
一人で読むなら 小学3年生くらい~
アフリカのツワナの人たちに語り継がれてきた動物たちの、楽しくおかしな8話が収められた昔話集。
ツワナ人は、ボツワナでは人口の90%を占める多数派民族であり、国名のボツワナも民族名のツワナに、「~の地」を意味するツワナ語の接頭語「ボ」をつけた、「ツワナ人の地」という意味である。
南アフリカ共和国内のツワナ人はボツワナの3倍近くに達しており、アパルトヘイト時代はボプタツワナというバントゥースタンを南ア北部のボツワナ国境近くに持っていた。 ーーーwikipediaよりーーー
作者のビヴァリー・ナイドゥーは、南アヨハネスブルク生まれ。
反アパルトヘイト運動に身を投じて逮捕され、獄中生活を送った後、イギリスに亡命した。
今まで日本語に翻訳されてきた彼の作品は、アパルトヘイトによる経験から描いたものばかりだったが、本書は日本で紹介される初めての昔話である。
辛い経験の中に、こうした楽しいお話を聞いて育った子ども時代があったことは素晴らしい。
どこの国でも、そもそも昔話と言うのもは、口で語り、耳で聞くという口承文学だった。
アフリカの地でも長くそうであったが、最近ではテレビやスクリーンメディアが入り込み、伝統は失われかけているのだそう。
かつては欧米の学者達が集めて出版してきたアフリカの伝承物語や昔話。
しかしそれでは本当の彼らの文化が廃れてしまう。
最近、それを心配したアフリカの人たちが、自分たちの手で集め、本にまとめる・絵本として出版するという事が行われるようになってきた。
多くの動物が住むアフリカだから、昔話の主役も脇役も動物で、そこに動物たちと同じような存在としてちょこっと登場する人間の姿が面白い。
しかし、その動物にも、なんかあの人っぽいな、こっちはこの人っぽいなと思える人間味が感じられ、動物の姿を借りて、子ども達に生きる知恵を授けようする先人の知恵を感じるのだ。
1話目は、「ゾウとカバのつなひき」で、この絵本↓でご存じの方のいらっしゃるかも。
また「ノウサギとカメの競争」は、イソップのお話でも有名な「うさぎとかめ」で、カメが勝つ所までは同じ。
違いは、勝つための方法である。
大きなもの・速いもの・強いものに勝つには、頭を使わなくてはならない。
ヨーロッパとアフリカという地域の違いを考えると、う~ん納得!
「ノウサギのムトゥラ」というのは邦題で、原書名にウサギもムトゥラも出てこないのだが、どの話にもノウサギのムトゥラはトリックスターとして登場する。
表紙の絵の如き、憎まれ役なのだが、最後の話ではワニに食べられそうになった女の子を救うという役回り。
アフリカのお話の中には、小さなウサギが悪知恵を使って、ずっと体の大きな動物たちを出し抜くものが多いそう。
それは日本で言うなら一寸法師かしら?
子ども達は、このノウサギが活躍することで、安心して眠りにつけたのかもしれない。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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