小学6年生くらい~
フランスに暮らしていたユダヤ人少女ファニーの戦争体験で、作者の実話です。
物語は1939年8月、フランスの秘密警察に連行される父親の話で始まります。
ナチスが権力の座に付いた時、ユダヤ人である一家5人はドイツからフランスへ逃げて来たのでした。
「パパを連れて行かないで!」と戸口で通せんぼしたファニーの頬にキスをしたパパ。
「明日朝5時に警察署に来なさい。だんなさんを釈放するから。これは単なる手続き上のことでね・・・・」と一人の警官は言いました。
フランスなら大丈夫だと思っていたのに・・・・・
しかしユダヤ人差別は、恐ろしい早さでフランスにも広がっていて、ファニーはそれをひしひしと感じていたのです。
学校でも・・・・
次の日、ファニーとママは警察署に行きました。
しかしいくつの警察署を訪ね歩いても、何の情報も手に入りませんでした。
その晩、ママは言いました。
「ここはもう危険だから逃げなければならないの。モンモランシーに、児童救済協会の子どもの家があるのよ。でも、そこに行けるのは子どもだけなの」
ママと別れ、二人の妹と共に子どもの家に来て三年が経ちました。
年上の子も居たけれど、その中でファニーは子ども達のリーダーになっていました。
ここでの暮らしは穏やかでした。
戦争はひどく遠くに感じられました。
でも、1942年5月、ついに戦争の影はこのショーモン城まで伸びてきて・・・・
*****
1943年、児童救済協会は、子ども達を国境を越えてスイスに逃がす計画を立てました。
その時ファニーは13歳。
その危険な旅の途中で引率者の青年が逃走。
そして、ファニーは突然、大勢の子ども達の命を預かるリーダー役を任されることになったのです。
子ども達だけの逃避行。
ギリギリの精神力と体力と、絶対に生きるんだ!という強い意志。
13歳の指揮官ファニーに学ぶことは様々で、深く大きい。
このお話は映画にもなっています。
予告編を見ただけで、涙が止まりません。
映像になっちゃうと、生々しくて、ぐさぐさ刺さります。
物語の最後にエピローグが載っています。
パパもママも強制収容所で殺されたそうです。
ファニーがそれを知ったのは、戦争が終わり、フランスに戻った1946年のことでした。
フランスでの帰化申請に、テストと36000フランが要りました。
途方に暮れるファニーを救ったのは、かつてファニーが力を貸したレジスタンスの若者でした。
ファニーはレジスタンスの命を救った功労で、戦時功労特別賞を与えられ、フランス国籍も手に入れたでした。
ファニーは今、イスラエルに暮らします。
最後に訳者の伏見操さんの言葉を。
「想像力の大きな役割のひとつは、ほかの人の苦しみや喜びを察することです。そうすることで、世の中にあるたくさんの問題に立ち向かい、自分だけでなく周りの人たちもよりよく生きていけるはず。」
世界の情勢を知るために↓
中高校生向けに書かれているだけあってわかりやすい。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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