世の中オカシイゾ☆丘修三さんの本
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小学校の図書室の整備ボランティアを始めて2年目。
専属の学校図書館司書の先生が居ない・・・というか、クラスを受け持っている先生が兼任している小学校なので、ボランティアにかなり任されている所がある。
しかし、季節の飾りつけや本の修繕だけで良いのか?
整備をしていて感じるのは、埃を被ったままの児童書がとても多いことである。
子どもが手に取る人気の本と言えば、
などのサバイバルシリーズ。
家の子達もかなり嵌っていて、結構な数の本が我が家にもある。
それから、
ディズニー小説版。
これについてはノーコメント。
DVD観るよりは良いかな(^^;)
いつも誰かに借りられているダメ日記シリーズ。
sohtaも全巻読んでいる。
そして低学年の登竜門
これはもうボロボロ状態。
は高学年女子に人気。
こうして見てみると、イラストがアニメっぽいものが人気。
TVや映画で観たものを読むという傾向がある。
蔵書の問題として、
とか、
とか、
夏に新しいものを入れたようだが、何しろ重い。
これを借りて家に持って帰ることを考えたら・・・借りない。
これだけでランドセルの半分(^^;)
実際、きれいなまんま置いてある。
高いのに・・・素晴らしい本なのに、本当に勿体無い。
先生に、岩波少年文庫で揃えてほしいとリストを持ってお願いにあがったら、今年の予算は使い切ってしまったので、また来年お願いしますと。
のや、
や
のや、
のを大量に買い込んで並べてあるのを見ると、とても悲しい。
いもとようこさんの本を全て否定するつもりはない。
オリジナルのものに良いものはある。
例えば、
とかね。
ただ昔話とかに、いもとさんのものを選ぶべきではない。
どのお話を取っても同じ絵で、そしてとっても可愛らしくて、本来その話から伝わってくるもの、時代的なものなどは、いもとさんの絵本では全く伝わってこない。
学校の図書室としては最悪である。
これらの代わりに、一体何冊の岩波少年文庫を買えたのかと思うと、残念でならない。
そこで、読まれていない、読んで欲しい本を、どうしたら子どもの目に触れさせる事が出来るか考えている。
今時の本とあわせて紹介しないと、古き佳き本に子どもは手が出ないと、尊敬する先輩お母さんであり心の相談員をしていたFさんに伺った。
これがまた難しい(><)
まず始めてみた児童文学者図鑑。
一月に一人ずつ紹介していこうと思う。
どういう人で、どんな本を書いていて、どんな内容か。
ただそれだけだと手に取らないだろうな。。。。と言う気はする。
そして何より、本が揃っていない・・・これにはもう笑うしかない。
児童文学者図鑑Vol.1は、丘修三さん。
「 」の中の紹介文は子ども達に寄せたもの。
①
「人を好きなる事は素敵なことです。人を好きになると不思議な事に自分を見つめ始めます。だから、人を好きになるということは、自分を成長させることでもあります。この本にはラブレターをめぐる6つのお話が入っています。」
ラストのお話は母子家庭の母と子のお話。病気で亡くなったお父さんが、残していく家族に向けて、亡くなる前に書いたラブレター。これが涙なくしては読めない。
タイトルと、ささめやゆきさんのハートマークいっぱいのイラストが高学年女子の注目を集めるかな?と思って期待!
②
画像が入ってこないくらい古い?
「えー、うっそー。4年2組の男の中の男ゲンタ君がワンピースを着て登校した。ワンピースは女の子のもの、男の子は着ちゃいけないの?怖い先生、アンドー組から一方的にダメだと言われ押さえつけられた子ども達は反発し、先生に立ち向かう。マンガの「ワンピース」とは違いますが、「ワンピース」に負けず劣らず面白いです。」
「ワンピース」、「戦争」って言葉に?なになに?と興味を示してくれないかなと、高学年男子に期待!
③
「リュウは毎日ウソをついて怒られる。ウソをつくと地獄へおちるっておばあちゃんは言う。本当かな?でも、大人だってウソばっかりついてるぞ。良いウソ、悪いウソってあるのかな?ウソをついちゃいけないのかな?」
④
「猫目線の人間観察。時間に追われる大人、『よい子』が抱える寂しさなど、人間の営みをユーモアたっぷりに、そしてちょっと辛口で語る『我輩は猫である』の現代児童書版。最後のお話には、小学5年生の長女ユキちゃんのバレンタインの事が描かれています。『バレン・タイ』とは、どんなタイか!?なんて聞いていたガジロウです。」
いずれは、丘修三さんのここから先↓の本に行って欲しいと思っている。
丘修三・・・これはペンネームであり、世の中「オカシイゾ」をもじったもの。
元養護学校教諭である。
そこで体験した事が、これから紹介する本の元になっている。
⑤
「生まれてからずっと寝たきりのタチバナさんは、ベッドのような車で散歩に出掛けます。『口で歩く』というのは、自分で動く事が出来ないタチバナさんが、人と会話をしながら移動すると言う事なのです。タチバナさんは人に助けてもらうだけでしょうか?いいえ、タチバナさんも人の役に建っているのです。地上にあるものは全て、そこにあるだけで意味があり、価値がある。ましてや人間なら、生きている事に意味があるのです。」
⑥
「登場する6人の障害者は皆、運動機能障害のみならず、コミュニケーションが困難であるという障害も持っています。丘さんは、障害者と被障害者とのコミュニケーションの問題を強く訴えています。お話に登場する障害者の家族や彼らに寄りそう先生は、コミュニケーションを取ろうとしているのに対し、様々な事件や問題に展開してしまうかかわりのあった人びとは、コミュニケーションを拒否しています。拒否された彼らの心の叫びを、丘さんは見事に描いています。共生するとはどういうことでしょう。なぜ相模原事件のような事が起きてしまうのでしょう。この本が考えるきっかけとなる事をねがって紹介します。6つのお話からなる短編集です。」
本当に残念な事に、この中のたった2冊しか学校の図書室に蔵書がない。
時間のある冬休み、図書館で一冊でも良いから借りて読んで欲しいと思う。
親が読み聞かせしてもいいのかとも思う。
先日ラジオを聴いていたら、「話し言葉の優位の現象」がトランプ次期大統領を生んだのではないかという話をしていた。
それは日本で、また世界中でも然り。
内容に意味があるか否かより、印象的で刺激的で短い言葉が受ける。
本を読む事より、瞬間的に目に飛び込む情報に振り回される現代人。
読む事と書く事から遠ざかり、見る事と打つ事が優位に立った事による変化らしい。
言葉は生き物だから、時代と共に変わっていくのは仕方のない事かもしれない。
また、言葉の乱れよりも、人間関係の悪さによるコミュニケーションの欠如が問題なのではないかと辞書編集者の飯間さんは仰っている。
いずれにせよ、表現が短絡的なのではないか?
短い言葉は攻撃的な印象もある。
本の中ではそうはいかない。
自分の感情や口に出さない考えも、私たちは知らず知らず頭の中で言葉にしている。
さまざまな感情や感動を色んな言葉で表現できるのと、何でもかんでも「マジヤバイ」と言うのではあまりにも違い過ぎる。
小さい内から、本当に必要か否か十分に吟味もせず、皆が持っているから・・・という理由でゲーム機やスマホを与える事は、こうした表現力の乏しい貧しい人間になりかねない事を、大人はよくよく考えなくてはならない。
LINEのスタンプは便利で面白い。
つい受けるものは無いかと探してしまったりもする。
・・・が、それをする度、自分は愚人に近づいている事を最近とっても反省するのである。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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