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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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カナダの森を旅する☆「レッド・フォックス」

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星野道夫の世界に浸っている最中、

カナダ文学の父と称される、
チャールズ・G・D・ロバーツの動物記に辿り着いた。

氏は、野生動物をリアルに描く『写実的動物文学』という分野を確立した方で、動物記といえば日本ではシートンが不動の地位を築いているが、なんとそのシートンとは1860年生まれの同じ年。

かつてシートンは、

「野生動物は、けっして年老いて自然に死を迎えることはない。遅かれ早かれ悲劇的最後を遂げる運命にある。ただ、どれ程長く敵から身を守っていられるかという違いがあるだけだ」

と述べている通り、

シートン動物記でもロバート動物記でも、登場する動物達は、たいてい哀れな末路を辿る。

オオカミ王ロボ (シートン動物記) 図書館版

Ernest Thompson Seton/童心社

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その中にあって、この↓「レッド・フォックス」は、主人公の比類なく賢く逞しいキツネ、レッド・フォックスが、多くの敵と困難に打ち勝ちながら成長し、最後まで生き残る異色の物語である。


レッド・フォックス カナダの森のキツネ物語 (世界傑作童話シリーズ)

チャールズ・G・D・ロバーツ/福音館書店

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小学高学年以上向け

(以下、あらすじです)

これは、カナダ東部の未開の地に住むキツネの物語。

並外れた強さと賢こさを兼ね備えた子ギツネ、レッド・フォックス。

同じ母ギツネから生まれた子ギツネの中には、たいてい一匹、大きくて強くて毛色の美しい子ギツネがいると言う。

それは種を残すための、自然の摂理なのかもしれないなぁと思った。

(・・・という事は、動物の一種である人間もそうなのか・し・ら?(^^;))

動物界はつねに生き残りを賭けたサバイバルであり、この物語は三世代にわたるキツネ一家のサバイバル物語である。

春まだ浅いリングワークの荒野で一匹のキツネが二頭の犬に襲われるところから、この物語は始まる。

追っ手を上手くかわしたと思ったのも束の間、キツネはたまたま通りかかった農夫ジェイブの銃に撃たれてしまう。

傷ついたキツネは再び犬に臭跡を嗅ぎ付けられるのだが、自分の巣穴から遠く離れた所に追っ手を導き、自らの命を犠牲にして、巣穴に残された家族を守るのだ。

この生き延びたキツネ一家の5匹の子ギツネの中で、一番大きくて賢い子ギツネがレッド・フォックスである。

子ギツネたちは、母ギツネから狩りの仕方を習いながら成長する。

しかし、オオタカに襲われたり、オオヤマネコに襲われたりして、子ギツネは1匹、そしてまた1匹と命を落としていく。

やがて独り立ちしたレッド・フォックスは、家族を持ち、また人間に関心を持ちと、更に成長を重ねていった。

夏の終わり頃、厳しい干ばつがリングワーク一帯を襲い、キャンプファイヤーの不始末から盛り全体が火事になり、森中の野生動物が逃げ惑い、次々と死んでいく中、レッドフォックスの先導により、一家は九死に一生を得るのだった。

動物界で圧倒的に強く賢いレッドフォックスは、開拓地全体にその評判が知れ渡り、かつては父ギツネを追いつめた農夫ジェイブと、関わらずとも交流のあった少年によって、ついに捕らえられてしまう。

米国の狩猟クラブに売られたレッドフォックスだったが、猟犬たちの激しい追跡をかわし自由の身になり、荒野を目指す。

*****

ロバーツは作品の中で、人間を動物達と同列に扱っている。

人間はしょせん衣服をまとった動物に過ぎず、ひとたび野生動物と対峙する時、えさをめぐって譲らない動物の敵対者となる。

「私たちがいま手にする動物ものがたりは、力強い解放者です。
新鮮味がなく、ただ実用的な物の世界から、退屈しても当然であるみすぼらしい
世界から、しばし私たちを解放してくれます。それは、私たちが自然に戻るのを助けてくれますが、決して蛮行に戻ることを要求することを要求することはありません。それは、私たちを大地との古い親しい関係へと引き戻してくれます・・・・」
(「野生の一族」『動物ものがたりへの招待』より)

野生の一族―ロバーツ動物記

チャールズ・G.D. ロバーツ/立風書房

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いつの間にかカナダの大自然の中に、動物の一種として紛れ込んでレッドフォックスを見つめている自分が心地良い。

シートン動物記より、文学的に美しく、小さい子にも読めるシートンより、大人向けである。

チャールズ・リビングストン・ブルの挿絵も素晴らしい。

これは絶対にオススメ!

大人もかなり楽しめる。

彼の著作は70余りあるらしいのだが、日本で今読めるのは上の二冊だけ。

シートンは相当数翻訳されているのに、実に残念である。

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by yomuyomuehon | 2016-11-14 08:30 | 童話 高学年向け