「稲と日本人」

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新米の美味しい季節となりました。
毎年頂く、ありがたい貴重な帰農志塾の新米。
白米だと、食べる量が倍になる息子たちなので、あっという間に無くなります。。。。
若かりし頃は、パン好き・洋食好きだった私ですが、
やっぱり米!日本食ほど美味しいものは無いと感じるのは、年のせいでしょうか?
そして、おにぎりは海苔がパリッとしていても、しっとりしていても、具無しの塩握りでも、美味い!
おにぎりは嫌い!って聞いたことがあります?
ただ、日本食じゃないとムリ~となると、海外旅行は辛いです。
いつか行きたいアラスカのサーモンは美味いらしいが・・・う~ん、米と飯盒持っていかないと!
でもね、米の質というか味は、昔より大分甘くなってきているんですって。
特に、毎日毎食取るお米と調味料は安全なものにしたいです。
農薬や肥料を考えるのは勿論ですが、「種」の事まで気にしていますか?
品種改良に継ぐ品種改良を、どこまで真剣に受け止めていますか?
小学高学年以上向け
この絵本は、日本にどう稲作が伝わってきて、どう広まって、今に至るか、歴史的にとらえたお米の絵本です。
水の豊かな国と思っていた日本。
実は日本の河川を外国人から見ると、滝のように映るとか。
国土の2/3が山で細長い地形の日本に降った雨は、あっという間に海に流れていきます。
夏には台風が襲い、稲を倒します。
そして地震大国でもあります。
米の歴史は、自然災害に苦しみながらの歴史でした。
江戸時代に起きた天明の大飢饉(1782~87)
異常気象が6年も続き、日本中で餓死者が出ました。
中でも「ヤマセ」の吹く東北地方の被害は大変なものでした。
そこへ、1783年追い討ちをかけるように起こった浅間山の大爆発。
黒い灰は、500キロも離れた東北地方にまで達し、ヤマセにふるえる寒い夏を、一層寒くしたのです。
作物は全滅し、天明の大飢饉が起こりました。
東北地方で20万人が亡くなり、日本中で90万人以上が飢え死にしたそうです。
当時の人口は約2600万人ですから、すごい人数です。
暖かな西日本でも、稲の害虫ウンカの大発生により享保の大飢饉(1732年)が起きて、約97万人もの人が亡くなっています。
水不足に苦しむ人々は、各地で池を作ったり、トンネ水路を作ったり・・・
寒さに強い性質の稲を作ったり・・・・
この中に、山形生まれの阿部亀治というお百姓さんが居ました。
何年も何年も掛けて、ついに寒さに強く、美味しいと評判の稲を作り上げました。
これは「亀ノ尾」と名づけられ、今あるお米の殆どがこの「亀ノ尾」の子孫なのだそうです。
政府が、お百姓さん任せにしていた稲の性質改良に取り組んだのは100年あまり前の事。
4000もの種類に膨らんでいた稲の中から強いものだけを選び出し、科学技術をもって掛け合わせ、丈夫で収穫量の多い稲を選び出しました。
収穫量はぐーんとあがりましたが、病中害や旱魃冷害による飢饉から救われる事はありませんでした。
東北地方の厳しい農民の暮しについてはこちら↓をどうぞ
戦後、アメリカから農薬が輸入され、国内でも科学肥料がどんどん作られるようになりました。
そして人力から機械による作業も始まり、人間にとって不都合な在来種は捨てられていきました。
今日本で栽培されるお米は、長い間人間の手で育てられてきた為に、野生の力をなくし、世話をしてやらなければ生きていけない品種になりました。
* * * * *
この後、どうやってお米が作られるか、農家の一年間が綴られています。
「もしも、人間の力のおよばない大自然の力におそわれたら 科学だのみで作られている、わずか十種類くらいの日本の稲は生きぬくことができるのでしょうか。」
と、作者は問題提起をしていらっしゃいます。
1960年代初めと今とを比べると、一人当たりの米の消費量は半分まで減っているそうです。
お米じゃなくてもパンでも麺でも、好きなものを幾らでも食べられる飽食の時代。
この半世紀で、いつでもどこでも簡単に手に入れられる国になりました。
高齢化や農業の衰退で衰える農村。
田んぼや畑は減り、鹿やイノシシに荒らされて、昔の人びとが苦労して作り上げた稲作のシステムは壊れつつあります。
外国から安いものを買ってくる。簡単便利な調理方法。
それで果たして良いのだろうか?
そんな事が長続きするのだろうか?
この本の監修をされた農学博士の佐藤洋一郎さんは、この本を読んで思ったそうです。
私も読み終えて、色々と考えさせられるものがありました。
この絵本は、小学高学年向けとありますが、まず子どもが自分から手にすることは少ないでしょう。
子どもの命を繋ぐ食のこと、ましてや日本人の体を作るお米の事です。
是非一緒に読むなりして伝えて欲しい本です。
特に、「種」については最近こわいなあと思っている所です。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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