クレヨン ドドーン☆「モモちゃんとプー」
にほんブログ村
こんなにもストレートに、子どもの戦争に対する不安な気持ちを表現したものはないと思います。
それは、「モモちゃんとプー」の中の、「クレヨン ドドーン」 というお話。
読んであげるなら 6歳くらい~
(以下、あらすじです)
ある日、仲良しのコウちゃんと絵を描いて遊んでいたモモちゃん。
見たい漫画があると、TVのスイッチを入れたコウちゃん。
そこに映されたのは戦争、戦争、戦争。
どこのチャンネルに回しても、戦争、戦争、戦争。
怒り出したモモちゃんは、
「テレビちゃん、そんなにせんそうばかりしていると、ばかになっちゃうよ!ちっとはご本よんでべんきょうしないと!」
でも、TVは聞えないのか、やっぱり戦争ばかり映しています。
「ぼく、せんそうすき、かっこいいもん、ババーン、ドカーン。」
とコウちゃん。
「いやいや、せんそうはきらい」
「へっ、よわむしだな。それにあれ、うそっこだよ。」
すると、インコが言いました。
「テレビのせんそうはね、うそっこのもありますけどね、いまうつっているのは、ほんとのせんそうですよ。」
「せんそう、モモちゃんちにもくる?」
「かもしれません。」
「いや、うちへきたらいや。ねえ、そうしておとなたちはせんそうするの?せんそうなんかやめて、ご本よんだり、絵をかいたりすればいいのに。」
「わかった、クレヨンないのよ、きっと―――。だからせんそうするんだ。」
「がようしだってないんだ、きっと。」
ポケットにクレヨンを詰め、画用紙を握りしめたモモちゃんとコウちゃん。
「テレビ、せんそうのところにつれていきなさい!」
すると、二人は戦争しているところへ着きました。
「せんそう、やめえ!」と叫ぶモモちゃんとコウちゃん。
でも止めずに大砲を撃ち続ける兵隊さん。
すると、二人のすぐ傍に大砲の弾が落っこちて・・・・
「ようし、こうなったらぼく、やっちゃうぞ。」
コウちゃんは画用紙を丸め、弾の代わりに大砲に詰め込みました。
ドドーン。
画用紙の弾は空高く飛び上がり、まるでトランプの手品のように、空一面に広がって、ひらひら落ちてきました。
「こんどはわたしがやるの!」とモモちゃんは、大砲に飛びつき、クレヨンを詰め込みました。
すると、クレヨンは花火のように真っ青な空に模様を作ってパチパチ光りました。
それを見た兵隊さん達は・・・・
モモちゃんが目を覚ました時、辺りはもう暗く、コウちゃんはおうちへ帰っていました。
「ママ、せんそうどうした?おしまいになった?」
「えっ?せんそう?はやくおしまいになってくれればいいのだけど・・・」
涙をぽろぽろこぼすモモちゃん。
「ねえ、せんそう、どこまでくるの?えきまでくるの?かどの、おかしやさんまでくるの?おうちまでくるの?モモちゃん、こわいよ。」
「きませんよ、あのせんそうはとおいところなの。でももしそばままできたら、ママが、だめ!っておこるから、ね。」
「でも、どこかでしているんだよ、それなのに、だめ!ってママ、いわないの?はやくいわないと、みんなしんじゃうよう。」
*****
最後のお母さんとモモちゃんの会話を、親として大人として、どう感じますか?
子どもをこんな風に不安にさせる事を。
かつては子どもだった大人達。
きっと誰もがこういう気持ちを持っていたのではないかと思います。
教育によってそう思わない子ども達がいた時代もあったかもしれませんが・・・
でも、そんな時代であっても、子どもの、どう表現したらよいかわからない、不安な気持ちは存在したに違いない。
「ちいさいモモちゃん」
から読み始めて、毎晩一つ二つをhaneちゃんにせがまれて読んでいます。
この話はモモちゃんが五つの時。
モモちゃんの誕生から始まったお話は、段々とhaneちゃんの実年齢に近づいてきました。
何も言わず、静かに聞いていたhaneちゃんです。
明日は、終戦記念日です。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
* * * * *
ランキングに参加していま~す
お帰りの際に、ポチッとよろしく~!!
↓ ↓ ↓
にほんブログ村