「サリーのこけももつみ」

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アメリカ絵本の黄金期の絵本を読んでいますか?
図書館に行くと、これらの本は古いにも係わらず、きれいなまま。
残念な事に、あまり借りられてはいないようです。
書店でも、平積みされてはいませんからね。
絵本を選ぶ時に、見落とされがちな時代の本になってしまったのでしょうか。。。。
リー・バートン、ガアグ、エッツ、レンスキー、マージョリー・フラッグ、H・A・レイ、ベーメンマンス、フランソワーズ、マックロスキー、デュポアザン、シーモント、マーガレット・ワイズ・ブラウン・・・・・
今時のカラフルな目を引くものに比べて落ち着いた色あいのものや、単色のものが多いですね。
ストーリーも日常を切り取ったものが多く見受けられますが、それは古典(昔話)から学んでいる事を強く感じさせるものです。
当時の訳者は瀬田貞二さん、石井桃子さん、渡辺茂男さん、光吉夏弥さんと錚々たる面々。
美しい日本語による訳は、児童書も絵本も、文学の一つである事を、そして読み手である子どもへの愛や、子どもであっても読者の一人としてへの敬意を感じます。
声に出して読んでいると、絵本通して、子どもに「言葉」を「日本語」を伝えているんだという思いがしてきます。
さて木曜日は、幼稚園での読み聞かせ、「絵本のおかあさん」の日でした。
朝からこういう事を考えてマックロスキーやエッツを読んでいたのですが、
の、岩波子どもの本版の小さいものを読んでいて、これは大型絵本じゃなくちゃ!と考えていたら、もう絶対それを子ども達に読みたくなってしまい、年少さんに読んでしまったのですが、
う~ん、ちょっと長かったみたい(^^;)
子ども達の様子を見ていると、落ち着きがなくなってしまった子に引っ張られるように、お話の世界から遠ざかっていく感じが分かりました。
この本を大勢に読むならば、年中の秋以降かな。。。。
反省↓
マックロスキーは、アメリカ絵本の黄金期に活躍した女性編集者メイ・マーシーによって見出された絵本作家です。
マックロスキー一家は、アメリカ合衆国北東部ニューイングランド地方メーン州の沿岸を離れた無人島で、春から秋にかけての長い数ヶ月を過ごし、ここを舞台に「すばらしいとき」や、「海べのあさ」、「サリーのこけももつみ」を描きました。
「サリーのこけももつみ」に登場するサリーは、彼の長女(sal)がモデルのようです。
邦題は「こけももつみ」ですが、原作は「BLUEBERRIES FOR SAL」とあるように、ブルーベリー摘みです。
まだブルーベリーがメジャーでなかった頃の、石井桃子さんの気遣いですね。
ただ、邦題の「こけももつみ」の方が、やっぱり素敵なタイトルに思えます(^^)
読んであげるなら 5、6歳くらい~
(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)
あるひ、サリーは おかあさんと こけももやまへ、こけももを つみにいきました。
サリーは、ちいさな ぶりきの ばけつをもち、おかあさんは、おおきな ばけつを もっていきました。
「こけももをつんだら、 うちに もってかえって、ジャムを つくりましょう。そうすれば ふゆになって たくさん ジャムが たべられるからね。」と、おかあさんはいいました。
サリーは、こけももを 三つぶ つんで、じぶんの ちいさい ばけつにいれました・・・・ポリン・ポロン・ポルン!
それから、もう 三つぶ つむと、それをたべてしまいました。
* * * * *
(以下、あらすじです)
ジャム作りのためにこけももを摘むお母さん。
摘んでは食べ、摘んでは食べのサリー。
お母さんのバケツの中のこけももに手を出したサリーに、お母さんはあっちで自分のを摘みなさいと言いました。
長いこと歩いてきたサリーは疲れ果てて、こけももの茂みに座り込み、実を摘んでは食べました。
さて、こけももやまの向こう側には、小さなクマがお母さんグマとこけももを食べにやって来ていました。
寒く長い冬のために蓄えておこうというのです。
こぐまはお母さんの後について行きながら、時々立ち止まってこけももを食べては、大急ぎで駆け出してお母さんクマに追いつくのでした。
その内疲れて、こけももの茂みの真ん中に座り込んで実を食べ始めたこぐま。
サリーもこぐまもお母さんから離れてしまい、どちらもお母さんに追いつこうと駆け出したのですが・・・・・
*****
この所各地でクマの出没が問題になっています。
それを考えると、こちらは、現実的には有り得ないほんわかしたお話です。
写実的でありながら優しさあふれるマックロスキーの絵が、有り得ない話ながら、ほんとかもね!そうかもね(^^)って思えてきて、
一部で人喰いクマなんて報道もありましたが、岩場を逃げるカモシカをもゲットする瞬足(100m10秒を切る!)雑食のハンターである事を忘れ、心優しい穏やかな動物に見えて
きます。
サリーはお母さんを探し行く道で、音がしたのでサリーは「お母さんが歩いているんだ」と思うのですが、見ているこちらは「クマだよ、クマ!」と思っていたところへ、それがカラスで、ホッと一息。
しかし次の場面で、また別の音がして、「今度こそ、お母さんだ」とサリーの目の前に現れたクマに驚いてひやひやするのですが、このお母さんくまの表情と態度は人間のお母さんそのものなのです。
そして無邪気なサリー(^^;)
この場面のイラストが素敵です。
ところで、この絵本には本扉が二ページあります。
最初のには人間のサリーがこけももを摘む絵が描かれ、二ページ目にはこぐまがこけももを頬張る姿が描かれます。
ひょっとしてこのこぐまもサリーって名前?な~んて思ったりして。。。
全てを取らず、動物と共存する暮らしをしていたら、動物も人間も平等の立場と思って謙虚に暮らしていたら、こんな風に描けるのかな?
昔話の中でも、人間は動物と平等ですね。
いい絵本は昔話から学んでいる事、それを踏まえたお話であることが多いように思えます。
古典回帰・・・暫くこれが私のテーマになりそうです。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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