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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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ワンダー Wonder

R・J・パラシオ/ほるぷ出版

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小学5年生位から

(以下、あらすじです)

普通の10歳の男の子、オーガスト・プルマン。

顔、以外は・・・・


オーガストは、生まれながらに顔に異常がある。

何度も何度も・・・生まれてから27回も手術をした。


そして、母さんの提案で、この度学校へ通うことになったのだが・・・・

それを聞いた父さんは、

「まるで屠殺場に引かれていく子羊じゃないか・・・」と反対した。


屠殺場に連れて行かれる子羊・・・

オーガストはこれまで何度も、顔のことで、悲鳴を上げられて逃げられた事も、じろじろ見られる事もあった。

だからあまり気が向かなかったのだけれど・・・


オーガストは、人の一瞬の微妙な反応も見逃さない。

目が合うと、さっと目を反らす。

顔を見ない。

避ける。



でも、オーガストは学校へ通うことにした。

そして、やはり(?)嫌な目に合う。


オーガストには、とびきり美人のお姉ちゃんがいる。

オーガストの立場からだけじゃなく、お姉ちゃんの立場から、そして友達の立場からと、場面は変わる。


だから、オーガストが受ける差別や嫌な思いに、ひどい・・・可愛そうって思うことも勿論あるのだけれど、オーガストを客観的に見た周りの人間の感情にも納得したり、共感したりも出来る。


過去に一度、多分オーガストはあんな感じだったのだろうなって思える、顔に異常のある人を見かけた事がある。

やはり私はその時、怖いって思ったと思う。

でも、お姉ちゃんは生まれてきた弟に何度もキスをし、大事に大事に守ってきた。

障害のある子には、小さな時から一緒に過ごす事で、何の差別を感じる事無く向き合えるのだと思う。

怖いと思うこと・・・それは仕方ないけれど、考えてみたら自分だって完璧どころか、欠陥だらけ。

見るべきは、感じるべきは、中身。


オーガストは実に嫌な思いを何度も経験したのだが、やがて周りを変えていく。

オーガストには、人を魅了する中身があった!


学園の終了式で、中等部の校長先生が仰った言葉は、

「・・・自分の時間に何をしたか、毎日の過ごし方を自分でどう選んできたか、この1年だれの心を動かしたか。

それが皆さんの成長を測る重大な目盛りになると、わたしは思います。

ジェームス・バリーによる『小さな白い鳥』の中に、こんな文章があります。

『人生の新しい規則を作ろうか・・・いつも、必要だと思うより、少しだけ余分に人に親切にしてみよう』

人間には親切である能力だけでなく、親切であろうとすることを選ぶ能力もあります。

これは数字で示せるものではありません。

親切というのはとても些細なことです。

必要な時にかける励ましの言葉。友情にあふれた行為。さりげない微笑み。

この親切という小さなことの価値を理解しようということです。

ここにいる一人ひとりが、いつどこにいようとも、必要とされる以上に親切にしようということを規則にしていれば、世界はもっとすばらしい場所になることでしょう。」

最初、オーガストに意地悪だったクラスメート達、避けていた同級生たち・・・

それらの多くを、オーガストは変えた。


実際はこんなハッピーエンドって無いかもしれない。

でも、生きているのが辛い、人の目を、表情を伺いながら生きているオーガストのような境遇の人の気持ちを、ストレートに感じる事が出来るこの作品は、大人になる前に絶対に出会うべき物語である。

どの人の気持ちも、理解出来て、思春期の人間模様もリアルで、一気に読める。

sohtaは十分読めるが、時間があれば少しずつでもtaichiにも読んであげたいお話。


丁度、先週末のオープン参観の道徳の授業が、見た目に分かる病気で心に傷を負った少女の話だったので、良いタイミングかもしれない。

ブックオフオンライン

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by yomuyomuehon | 2015-11-05 00:32 | 童話 高学年向け