戦争とは当たり前の暮らしが奪われる事☆「彼岸花はきつねのかんざし」
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小学4年生以上
(以下、あらすじです)
戦時下の、警戒警報が繰り返される毎日。
食べるものも減り、暮らしは厳しさを増す。
そんな中でも、子ども達は今の子達のように(・・・同じではないかもしれないが)元気に遊ぶ。
かくれんぼにたすけ鬼・・・
遊びの最中、皆を探してあちこち歩いていると、也子(かのこ)の目の前に小さなきつねが現れた。
「あんたが、オババのいってた、あの孫むすめにちがいない。」
子ぎつねは、いきなりそう言った。
「あんた、あたしに化かされたい?」
也子はものすごくびっくりした。
そして、散々化かされて目を廻しそうになっているおばあちゃんの姿など、皆から聞いていたキツネに化かされた話が頭をよぎっり、きっぱり断った。
「ぜんぜん。」
これが子ぎつねとの出会いだった。
おきつねさんは人を化かす。
お婆ちゃんはしゅっちゅう化かされた。
でも、お母さんは也子位の時に一度きり。
也子の目の前に現れたのは、まだ「おきつねさん」とは呼べない小さな可愛い子ぎつね。
最初は、皆から化かされた話を聞いていたものだから、この子ぎつねの事も怖かった也子だったが、一緒に遊んでいる内に・・・
ある日子ぎつねはまたもやあの質問をしてきた。
「あんた、あたしに化かされたい?」
答えない也子に、栗をあげるから!柿をあげるから!と食い下がる。
色々想いをめぐらす也子に、もじもじし始めた子ぎつね。
竹やぶに飛び込んでしまいそうだったので、也子は慌てて「白い彼岸花」と答えた。
白い彼岸花は滅多に見つからないはず。
子ぎつねは、町の近くの丘に咲くから見に行ってみよう、と弾んだ声で答えた。
だが次のせつな、灯が消えたようになって、
「この頃町の方には行かないんだった。町には怖い事があるから」とだけ言って、竹やぶに中に飛び込んで行ってしまった。
八月の初め、これが子ぎつねと会った最後だった。
朝からとても暑かった8月6日。
その日、広島に落とされた原爆、ピカドン。
一瞬にして七万を越える命が失われた。
学校に居た也子の腕には、たくさんの窓ガラスのかけらが刺さった。
誰かにおぶられ、逃げていく途中で、黒い雨が降り始めた。
也子がやっと起き上がれるようになった頃には、すっかり秋になっていた。
家に居た者は皆無事だった。
でも、町に出掛けていた者は帰って来なかった。
その後、亡くなった者もいた。
おばあちゃんの話ではこの辺りは農家が多いので、町から逃げてきた人達をたくさん受け入れて手当てしたと言う。
でも助かった人は少なくて、百人ものご遺体を竹やぶで焼いた。
その時子ぎつねが現れたのだと言う。
誰かを探していたようだと。
それ以来現れなくなった子ぎつねはどこに・・・
*****
原爆投下直前まで、子ども達は実に子どもらしい暮らしをしていたのだそうです。
当たり前の暮らしが奪われる事こそが戦争だと、朽木さんはあとがきに書いています。
戦争を経験していない私たちは、見たり聞いたりする事でその悲惨さ愚かさを感じるしかありません。
どこか遠い出来事だった事が、当事者になりかねない事態に・・・・・私達が出来る事は何でしょう?
やはり、この愚かな政権を野放しにさせない事でしょう。
彼らにはこちらを読ませたい!
馬鹿げていると言われるかもしれませんが、武器には武器を・・・なんて、それこそ馬鹿の考える浅はかな事。
外務省は何のためにあるのか?
勉強しかしてこなかった人達には、難しいのかな?
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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