もうすぐひな祭り☆「かりんちゃんと十五人のおひなさま」
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読んであげるなら 7,8歳~、自分で読むなら小学4年生位~
(以下、あらすじです)
おひなさまを持っていないかりん。
あやめとななこは、3人のうちのお雛様を、順番に見て回ろうよと言うのですが・・・
ある日、宅配便の大きな段ボール箱が届いて・・・
中に入っていたのは、ひいおばあちゃんから譲り受けた立派なひな段飾り。
お姫様が乗る駕籠・小さな鏡・お盆・お弁当箱のようなもの・何に使うか分からないけれど、漆塗りに金の絵の具で唐草模様を描いたお道具の数々。
嬉しさではちきれそうになったかりんでしたが、人形を取り出した途端、かりんの笑顔が消えました。
お雛様にはあっちこっちにきずや欠けがあり、お姫さまの顔は汚れていたのでした。
真夜中、目を覚ましたかりんは、キッチンがぼんやり明るい事に気が付いて、
キッチンのドアに手を掛けると、中から小さな話し声が聞えてきたのにびっくり!
三人官女が、ステンレスの流しの上で、水道の水を汲みながらおしゃべりしていたのでした。
かりんに驚いて固まった三人官女たちでしたが、スプーンを持った人形がぐらりと傾き、危ない所をかりんがキャッチ。
「あぶなかったあ。・・・あ、小桜ちゃんだ」
すると手の中の人形が、
「そうよ。わたし、小桜よ。まったくもう、かりんちゃんには、かなわないわ」
びっくりしたかりんは人形を放り投げそうになったのですが、必死にかりんの指につかまった小桜は、
「おどろかないで。かりんちゃんは、正真正銘、わたしたち自慢の守り子ね。こうもみごとに名前をあてられたら、ほんとうのすがたをみせないわけにはいかないじゃないの。ねえ、小梅ちゃん。小桃ちゃん、あなたたちもでてらっしゃいよ」
「さあ、かりんちゃん、おとのさまや、おひめさまにお話するから、いっしょに御殿へいきましょう」
こうして花梨の宮の御殿に招かれたかりんは、お雛様たちからこう聞かされました。
小鳥にのり移って、いつもかりんを見守っている。
かりんの守り雛である人形達は、かりんの身の回りにいつも思いをめぐらせているのが務めだと。
ところで花梨の宮とは、かりんの名前からとったもので、それぞれのお雛様には、〇〇の宮と付くらしいのです。
翌日、春一番がふいた日に、かりんとあやめとななこは順番にそれぞれの家のお雛様を見て回りました。
あやめの家のは七段飾り。
どのお雛雅もお顔が磨き上げられたように白く、髪の毛は一筋の乱れも無く、皆金銀の糸の豪華な着物を着ています。
ななこの内のは小さな木目込みの内裏雛。
金屏風とぼんぼりの他には何もありません。
次はかりんの家です。
三人は自分の人形が一番!と思う気持ちと、友達のが羨ましいという気持ちで、
誰かが席を外すと、互いにその子の雛人形の悪口になるのでした。
こうして、三人とも嫌な気持ちでわかれたのです。
さて、二人が帰った後、お雛様たちには何事か起きたようで、畳の部屋は騒がしくなっていました。
五人囃子の笛丸の笛が無くなった言うのです。
すると仕丁が、菖蒲の宮の仕業だと言い出し、右大臣は刀を抜き、三人官女は悲鳴をあげました。
初めから疑ってかかるのは良くない事、いづれにせよ、菖蒲の宮とお近づきになっておくのは悪くないとお姫様。
どうするべきか考えた人形達は、かりんに菖蒲の宮のある家まで連れて行って欲しいと頼んだのでした。
そして、この菖蒲の宮というのは、なんとあやめのうちのお雛さまだったのです。
*****
あやめの家にたまたま来ていたおばあちゃんから、
お雛様と言うのは、もともと形代(かたしろ)と言って、その子のけがれを変わりに受けてくれるものだという事。
子どもの頃お雛様を持っていなかったおばあちゃんは、あやめにお雛様を買ってやれた時には嬉しくて、だから毎年見に来る事。
かわいい女の子達が、お雛様を飾って幸せを願い、けがれを流してきれいな心になると、春が来る。
こういうことが、何百年も続いてきたんだもの・・・お雛さまはいいという事。
を聞いたかりん。
一緒に出掛けた小桜に、小桜ちゃんたちお雛様も、かりんの身代わりになってくれている事を聞きました。
かりんが頭が痛いときには、人形の誰かのどこかが痛くなる。
その分、かりんは楽になっているはず。
右大臣の冠が凹んだのは、かりんが三輪車から落ちた時、
おこりんぼ仕丁のおでこのぶつぶつは、かりんが麻疹に罹った時、
お姫様のほっぺのあざは、かりんの盲腸の傷・・・
お雛たちの傷やよごれを恥ずかしく思っていた事に、どきんとしたかりん。
でも、それが人形達の誇りだから良いのだと小桜ちゃん。
人形達が目を覚ましていられるのはほんの一月程だけど、箱の中でずっとかりんの夢を見ている。
はじめて歩いた時の事、幼稚園に行った日の事、一人でお買い物できた時の事も・・・
かりんちゃんがうれしい時は、お雛さまたちもうれしい。
かりんが悲しい時は、お雛様たちも悲しい、とも。
またある時、かりんは、
「ひなの格は、家来の数や道具の良し悪しで決まるものではありませぬ。よい願いや、美しい祈りが、その雛に、どれ程込められているかによって、決まるのです。その願いや祈りこそが、われら、ひなの命なのですから」
と、左大臣に教えられたのでした。
さて、ところで笛丸の笛は、どこに消えてしまったのでしょう?
*****
haneちゃんに読もうと思っていたのですが、まだちょっと難しい(^^;)
思いがけず、sohtaとtaichiが毎晩寝る前に読んでと持ってくるのです。
彼らにはまだ70ページ程残っているのですが、
私の方が気になって、昨夜子どもが寝た後、続きを読んじゃいました。
雛に込められた願いを表現した台詞に、うるっときちゃう場面が多くて・・・
う~、涙なくしては読めない。
本当に素敵なお話です。
女の子がいたら、絶対に読んであげてね!
今朝、数羽の小鳥がピーピー鳴いていて・・・どうやら、どこかの宮のお雛さまたちが、まだ飾っていないうちのお雛様を呼びに来たようです。
早く出さなくちゃ!
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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