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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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『頑張る!』は美しい☆「びりっかすの神さま」

押してくれると、うれしいな(^^V)


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小学4年生以上向け


お父さんが急死し、お母さんの勤め先のあるこの町に引越してきた、木下 始、小学4年生。

そのお父さんが、死ぬ前に始に言った言葉が「がんばれ」だった。


「たしかにお父さんは、お父さんのやりかたでがんばったんだと思う。

でも、お母さんの気持ちをいっとくわ。

もしもがんばるっていうことが、お父さんみたいに生きるってことだったら、

・・・ひとに勝つことが、がんばるってことだったら、始、お母さんはあなたに、がんばってほしくなんかないのよ」



銀行員のような担任の先生について入った教室。

先生に促されて一言挨拶する為に一歩前に出たとき、とんでもない物が見えた。

目の前、1m程の所に、出し抜けに透き通った男が現れた。

20cm位の大きさの男は、くたびれた背広とよれよれのネクタイで、背中には小さな翼があった。

始と目が合った途端、男は消えてしまった。


始の席は教室の一番後ろ、一番廊下側の席だった。

席についた途端、さっきの男が見えた。

誰もその男を見ない。

なぜ自分には見える?

まぼろし?病気?

病気から死と言う言葉が浮かんだ。

死神?


三度目に見えたのは、先生が算数のテストを返した時だった。

どうやら得点の高かったものから返しているらしい。

「坂井征二、0点」

征二の頭の上をあの男がふわふわ飛んでいる。


算数の時間のお終いにテストがあった。

テストが終わろうとしている時、あの男は隣の席のみゆきのテストの上に降り立つ所だった。


次の日、一時間目の算数の時、先生は昨日のテストを返した。

点数が下がるにつれ、段々と席が後ろになっている事に気が付いた。

すると、この席は、一番成績の悪いものの席に違いなかった。

何故ぼくがこんな席に!?


「木下始、2点。」

「森みゆき、1点。」

最低点を取ったのはみゆきだった。

そしてみゆきがテストを受け取った時、あいつが現れた。

みゆきの頭の周りをぱたぱた飛んでいる。


始は気が付いた。

最低点をとったものの所に、あいつはやって来るのだ。

いや、昨日のテストの時、もうみゆきの机に居た。

最低点を取るのがみゆきだと分かっていたのだ。


始はあの男を呼び寄せる事にした。

簡単な事だ。

0点を取ればいい。

名前だけ書いて、あの男が現れるのを待った。

あの男は透き通っていなかった。


その日から、始はその男と心の会話が出来るようになった。

男が生まれたのは、3年生の二学期の半ば頃。

市田先生は何でもかんでも競争させる。

給食だって遅いといい顔しない。

競争して順位をつけると、当然最下位のものが出来る。

男は最下位の子の周りを漂ってた。

出来の悪かった子の気分っていうか、感じっていうか、そういうものが寄り集まって自分は生まれたのかもしれないと、男は言った。

そして、男の体が出来たのは4年生の6月1日。

先生がテストの合計点で、席を決める事にした日。

最後の子が呼ばれた時、男に目が出来た。

体が出来たのは、そのすぐ後の休み時間だった。

坂本浩一って子が机の間を通ろうとして、森みゆきが邪魔になった。

浩一はわざと大きな声で、「道をあけろよ、びりっかす」って言った。

教室にいた半分は笑った。

その途端、男に体が出来上がった。


だから自分の名前はきっと『びりっかす』だと男は言った。

結局始は、この男ともっと話をしたくて、びりを取り続ける事になった。


*****


一番になるのは簡単なことじゃない。

でも、びりになるのは簡単!?

いやいや、それも、簡単じゃないはず。

だって、それによって湧いてくるくやしさ、恥ずかしさなど・・・負の気持ちを背負い込むのはキツイもの。

それも、順番付けられて、席順まで決められちゃったら・・・・ほんと、辛すぎる。

市田先生は最低最悪な先生だ。


そもそも前の学校で成績の良かった始。

走るのだって一番だった。

でも、頑張る事より選んだのは『びりっかす』との会話。

転校してきて、このクラスの雰囲気に馴染めなかった始には、友だちが出来なかった。

それが、『びりっかす』と友達になりたかった理由だったのかも・・・

ある日、手を抜いてわざとびりを取っている事がみゆきにバレテしまい、

みゆきをひどく傷つけた。

そしてその理由を明かしたわけだが・・・

みゆきにも『びりっかす』の姿が見えたことで、心の会話が出来るようになった。

みゆきに心の会話でテストの解き方を、答えを教えるようになると、みゆきの点数は上がっていった。

やがてクラスの半数が、そして全員がテストで最低点を取り、全員がびりっかすと会話出来るようになった。


*****

「がんばれ」と言い残して死んだ父親。

「お父さんのようにがんばってほしくない」という母親。


どちらも素直な親の気持ち・・・だよなあ。


だけど、運動会のクラス対抗リレーで、アンカーで一位ゴールした始に、始の母親は言った。

「あなたの足のはやいのは知っていたけれど、一番になったとき、感動しちゃった。

ほんとうによくがんばったわ。

一番になるために、がんばるな、なんてお母さんいったけど、ほんとうにうれしかったわ。」




夏休みの初めから走り始めたそうた。

スイミングの選手コースで、上のクラスに上がるまで、毎朝(土日以外)走る事を自分に課した。

二学期が始まった今でも、朝起きると一人走りに行く。


その成果か?


運動会のリレーでは、昨年までの走りと大違い。

一位だけど僅差で受け取ったバトンを、後ろの子をどんどん引き離し、大差を付けて次の走者に引き継いだ・・・結果的にチームは二位だったけどね(^^;)


たいちも、夏休み中には頑張ったので(^^;)、リレーでも持ち前の身体能力を生かして一位を死守。


二人とも運動会で格好良かった(^^)



・・・が、水泳ではまだその成果は現れず。

まあ、少しは走った甲斐があったはずなんだけど・・・

昨日の大会ではまたもや反省↓のそうた君(><)


大会を見に行く車の中で、パパが言った。

「夏休み早々に、たいちの朝顔は花が咲かなくなって、種ばかりになってただろ?

でも、休みが終わる頃になって、幾つも花が咲いたよな?あれは水をあげ続けたからだよな。

やっぱ、子どもたちにも諦めずに水をあげ続けろって事なんだよな。」


ほおーっ、確かに!


夏休みに持ち帰ったたいちの朝顔は、えっ、もう開花期が終わっちゃったの?
てな感じで、種ばかりいっぱい取れた。


それでも蔓はまだ元気だからと、毎日毎日水をあげていたたいち。

すると、夏休み終了一週間前位から、毎朝2~3の美しい薄青の花を魅せてくれたのだ。

水をあげる事・・・親としてはそれ位しか出来ないのかもしれない。

自分で頑張る事が出来るようになって、更にそこからも、花を咲かせるには時間が掛かる。

もしかしたら、咲かないかもしれないけれど・・・

いつか咲くかも!咲くに違いない!!!と水をあげ続けることが大事だね、きっと。

しかし、私があげているのは冷や水ばかりかもしれない(><)

ああ、反省反省。

子どもがひたむきに頑張る姿・・・親にとって、こんな嬉しい事はない。

腐らず続ける事・・・結果はいつか必ず付いてくる!


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by yomuyomuehon | 2014-09-24 14:24 | 童話 高学年向け