母なる言葉☆絵本が目をさますとき
一日、在園児たちと一緒に遊び、玄米給食を食べて過ごします。
昨日、幼稚園の事、我が子の事をお話しするサポーターとして、お昼過ぎからの座談会に参加しました。
そして思い出した、そうたが入園した4年近く前の事。
一度目の見学で、気に入って入園を決めてしまった私。
その時は、たいちがお腹にいて、安定期に入った頃で梅雨の時期でした。
毎日朝9時~2時頃まで、一キロ程離れた所にある公園に歩いていき、泥だらけ・水浸しで、お友達10人程と遊んでいたそうた。
毎週金曜日に、わざわざ幼稚園の公開保育に出掛けて行く必要性を感じませんでした。
ですから、あまり・・・というか殆ど何も幼稚園の事を知らずに入園したわけです。
そして、ビックリしたと言うか、感動したと言うか・・・
年少の一学期は出る機会も殆ど無かったのですが、お母さんの出番が多い幼稚園。
毎月第三土曜日は親子登園日でもあり、次第に色々なお母さん達を見かけることになります。
そして頻繁に耳にした 素敵ね! という言葉。
今日も聞いた!昨日も聞いた!一昨日も聞いた!
あの方からも聞いた!この方からも聞いた!
それも、おちゃらけではなく、心の篭った言い方で、言い方にも品がある!
人生で、こんなに 素敵 という言葉を耳にした事はありませんでした。
子どもは泥んこで、よれよれのTシャツに短パンにビーチサンダルか草履姿。
でも、お母さんたちの言葉がそれこそ、素敵☆
まあ、その泥んこ姿の子ども達こそ、 素敵 なんですが(^^)
どこぞの私立の幼稚園!?
なんて錯覚したものです。
ですから、私もそういう方たちとお話しするときは、襟を正しました。
先生方が、子どもを褒める時に 素敵 を使っているのです。
・・・そんな事を思い出して・・・
そう言えば、前程お母さんたちの間で聞かないかも!?
私も言ってないです(^^;)
それもあるなあ・・・反省、反省
良い事は伝えなきゃ!
その代わり、お母さんたちの間で最近よく耳にするのが、
「ひるめし、なにくう?」、「やべえ」、「まじかよーっ」
うっ、ショッキング!!!
毎年2月、亀山歩先生による語りの会が、幼稚園でありました。
しかし、亀山先生は昨年の5月にご逝去されました。
なので、今年からは楽しみにしていたあの語りを聞く事が出来なくなりました。
語りと語りの間に、先生が親に対して仰られたのは、日本語の乱れに対する憂いでした。
特に「やばい」については、先生が子供の頃、「それはあちらの世界の人間の隠語だ」と親からきつく叱られたそうです。
私も、子供の頃に叱られた記憶があります。
今では普通に使われていますが・・・
これは先生のHPから・・・
「日本語が乱れてる。
日本語の美しく心地よい響きを消してはならない,
取り戻さなければならない---これは私の最も重要な人生のテーマです。
日本語の乱れの原因を探ればいろいろあるでしょうが,
その一つに心のありようがあると考えます。
物の豊かさを得た反面,心の豊かさを失ったのは寂しい限りです。
心が廃れれば言葉も乱れる。だから日本語の美しさを取り戻すには,
まず,心に優しさを育てることではありませんか。
斎藤隆介,宮沢賢治の創作民話や童話,昔からの民話には
まがいものでない本物の優しさや勇気を持った人間が生き生きと描かれています。
私は,こういうお話を,聞く人たちの目を見つめ手渡すようにして語りかけたいのです。
とりわけ次代を担う子どもたちに・・・・・・・・・・・・」
そう仰って、語って頂いた「ソメコとオニ」「花さき山」「モチモチの木」「天の笛」「ベロ出しチョンマ」など、斉藤隆介さんの世界。
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こちらは大人向け
もう聞けないのかと思うと、とても寂しい。
*****
今読んでいる「絵本が目をさますとき」の中で、長谷川摂子さんが仰っています。
おしゃべりを始めた子どもに、今が英会話を始めるチャンスだ!と誘われて、迷っているK子ちゃんへの長谷川さんからの返事です。
「人には母語が必要だと思います。思うこと、伝えたいこと、それはみんな心の中で日本語になってうずまいているでしょう?母語としての日本語が身体の中に血のように生きているから、私たちはちゃんと心を保てるの。
なぜそういう言葉が必要なのか、って?それは、人が人になるために、とでも言っていいのでしょうか。心をいつも活発にする元気な血のような言葉が必要なの。
それって英語教室でもらえると思う?とんでもない。
それはごく幼いころ、母から父から、周囲のあらゆる人から、毎日、洪水のようにおしよせる言葉の海に浸って、言葉を吸ったり吐いたり、たえず呼吸するように生きてこそ、身体の中に根を下ろすものです。
私達は親になった時、その子に乳を与えるように日本語を与えています。その事の大切さって、あまりあたりまえなので気が付かないかもしれないけど、その言葉がその子を最後まで人として支える力を持つ事を考えると、言葉をいちばん敏感に吸収する時期に、濃く、美味しい日本語を楽しく与える事こそ親の役割と思いませんか。
英語は自分が学びたいと思えば、十代からでも充分間に合います。
それより子どもが人として思う存分自由に生き、感じ、考える事が出来るように、どれだけ豊かな母語を身につけるか、その方がずっと大切なことだと思います。」
そして、絵本との関係で・・・
「くりかえしと母語の習得の問題とは、深い関係があると思っています。
子どもは絵本を聞いている時、音楽を聴くように聞いています。身体ごと言葉の流れにのって、自分もいっしょに言えるようになりたい。大好きなところもあって、そこが来るのをじっと待っている。
その大好きな所が、くりかえしの部分。大抵三回繰り返されるそれは、音楽的で、耳をそばだてたくなるように出来ています。
やがて台詞を自分のものにし、日常に使ったりする。
このくりかえしの要求は、言葉を習得する時期の子どもだけがもつ特殊な食欲。くりかえし聞いて、ものすごい勢いで血の中にとりこんでいるのです。
その能力は2歳から5歳が頂点で、やがて衰退していきます。
ですから、その時期の子どもの「も一回」の声はとても愛しい。くりかえしを厭わないでね。
一回こっきりの絵本なんて、一回こっきりの音楽と同じ。ちゃんと言葉を刻んで、絵本を血の中にとかしこんでやりましょう。」
そしてオススメされているのが、
この本だいすきの会の小松崎進先生も、同じことを仰います。
どんなに絵本を読んであげていても、子どもとの会話が「なに、くう?」「やべえ」・・・では、悲し過ぎますね。
少し前にも、入園当初感動した 素敵 についての事を、同じクラスのお母さんに話したばかりだったのに・・・
使うの忘れていました。
これからは心して 素敵 を使わなくちゃ!
四月から入園するお母さんたちがまあ、素敵☆って思えるように(^^)
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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