子どもに語る アラビアンナイト
読んであげるなら 小学3年生位~
この所毎晩、寝る前に子供たちからせがまれる絵本をリビングで読んだ後、布団に入って語るのが「子どもに語るアラビアンナイト」
たいちもhaneちゃんも、いつの間にか寝ています。
聞いているのはそうただけ。
小学生以上向けですね。
『アラビアンナイト』・・・
もう一つの名を、『千一夜物語』
アラビア語の原題は「アルフ(千)・ライラ(夜)・ワ(~と)・ライラ(夜)」、つまり千一夜。
これが本来の題名だったようです。
いつ頃出来た物語か?
西暦879年の日付のある紙の断片が見つかっているそうですが、詳しい事は分かりません。
ヨーロッパに持ち込まれた写本は、忠実に翻訳されたものではなく、新しく編集された物語集で、1704年に出版されました。(ガラン版)
一方シリアで大切に伝えられてきたアラビアンナイトは、18世紀頃のエジプトで新しいアラビアンナイト(ブーラーク版)に変身しました。
それまでの口伝えだったお話が集められ、文字として記されるようになったのです。
こちらは千一夜まで物語が続き、大人向けの官能的話も含まれるそうです。
ガラン版には、アラジンもアリババもシンドバード航海記も入っていません。
日本でよく読まれているのは、エジプトで生まれた新しいアラビアンナイトを基に脚色されたバートン版。
ですから、アラビアンナイトに定本はないそうです。
さて、この「千一夜物語」という物語集には、昔ペルシアの国の若いお妃様が、王さまの為に千日もの間毎夜毎夜、語り続けたというお話が収めてあります。
夜が更けてから語り始め、東の空が白んで夜明けが近づくと、語るのをやめました。
いつもお話が一番面白いところでやめるようにしたのです。
それにはこんなわけがありました。
「今から千年以上も昔の話です。
ペルシャの国に、名君の誉れも高い、シャフリヤールという王さまがおりました。
ある日、心から愛していたお妃様に裏切られた事を知った王さまの心は乱れ、誰も愛さず、誰も信じない王になってしまったのです。
毎日新しいお妃を迎えては、次の日の朝、その首をはねてしまうのでした。
王の家臣の娘、シャヘラザードは誰よりも多くの本を読み、誰よりも多くの物語を知り、誰よりも勇気がありました。
自ら進んでシャフリヤール王の花嫁になったのです。
そしてシェヘラザードは不思議に満ちた物語を毎晩王に語り、王様は時が経つのも忘れ、聞き入りました。
やがて朝が来ます。
「王様が明日もわたくしを生かしておいでくださるのなら、この物語のつづきをおきかせしましょう」
次の日も、王様はシャヘラザードを生かしておきました。
その次の日も、そのまた次の日も。
長い長いお話「アラビアンナイト」はこうして始まったのです。」シェヘラザードの章より
*****
・シェヘラザード
・空飛ぶじゅうたん
・漁師と魔人
・船乗りシンドバードの冒険
・背中にコブのある男
・黒檀の馬
・星のさだめ
・バグダードの妖怪屋敷
・ものいう鳥
・アリババと、召し使いのモルジアナに殺された四十人の盗賊
の、全10話収録されています。
アラビアンナイトを読んだ事がなく、アニメやディズニーランド程度の知識しかありませんでした。
「空飛ぶじゅうたん」って、こんな話だったのね!
シンドバードの冒険の「ダイヤモンドの谷」は本当に面白くて怖くて、ドッキドキ。
毎晩子どもに読みながら、読んでいるこちらも面白くて面白くて、この読み語りの時間が楽しみで楽しみで(^^)
「寝るのがまた遅くなるから、そんな長い話を読むのはやめて早く寝かせろよ!」と、言うパパに、「はいはい」と返事しながら、布団の中でそうたにこっそり読み聞かせているのでした。
その話も、あと一話で終わります。
でも、また繰り返し読んであげたい。
それ程魅力的なお話の数々。
シャフリヤール王が聞き入ったというのも納得です。
*****
『空飛ぶじゅうたん』のあらすじです。
従妹である美しい王女を愛した三人兄妹の王子たちは、世界一珍しいものを探してきた者を花婿にするという、王様の言葉で旅に出ます。
王子達はそれぞれ、空飛ぶじゅうたん、願ったものが何でも見える望遠鏡、死にそうな人も生き返る命のりんごを手に入れます。
三人が宮殿に戻ろうとした時、王女が病気で死にそうだと分かり駆けつけるのですが、王女を救うには、王子たちの宝が三つとも必要でした。
そのために、王様は三人の中から一人を花婿に決めることが出来ません。
そこで、もう一度腕比べをすることに・・・
その方法とは?
*****
どのお話も、「ある晩、シェヘラザードはこんな物語を語りました・・・」で始まります。
先に記したシャヘラザードの章は、たくさんの物語を一つにまとめる「枠」の働きをしています。
不思議に満ちたアラビアンナイトの世界に入っていく導入となっているのです。
ですから、この本の中のいくつかを語る時、はじめに「あなたはアラビアンナイトをしっていますか?・・・」から始まる7頁のきっかけを話してから、このシェヘラザードの章を語り、他の物語に入っていくと、子どもにとっても、読み手にとっても自然で魅力的なはじまりです。と、あります。
「アラビアンナイトには、世界中で知られている物語の原型が詰め込まれていると言っても過言ではないでしょう」と、訳者の西尾さん。
千一夜語ったという「アラビアンナイト」ですから、お話はこの他にもた~くさんあるわけです。
空飛ぶじゅうたんのお終いは、妖精と結婚した、後に王様になる王子の話で、続きを聞きたい!と思わせる終わり方。
でも、そのお話は残念ながらこの本にはありません。
それに、シェヘラザードが一晩中語ったわけですから、もっとずーっと長いお話なわけです。
それがこのような形で読みやすく、子どもにも分かりやすく、大人にも魅力的に仕上がっているなんて!
読まずにはいられないでしょう!?
この本に修められているのは、短いもので15分くらい、長いもので30分くらいです。
是非、手にとってみてくださいね~!
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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