あたまをなくしたおとこ
こんな面白いお話に出会ったのは久しぶり。
クレール・H・ピショップと言えば、以前紹介した「シナの五にんきょうだい」
主人が、子どもの頃に読んで忘れられない話があるんだけど、タイトルが分からない・・・と言うので探した事がありました。
あれも面白かった。
でも・・・
この、「あたまをなくしたおとこ」はそれを越える!
なぜこんな面白いお話が、最近まで訳されなかったのか、とっても不思議です。
ピショップって、1899年~1993年まで生きた方なんですよ。
アメリカの絵本の黄金期に活躍したフランス人です。
今後も、まだ訳されていない彼のお話が、日本で出版される事を切に願います。
読んであげるなら 6、7歳~
(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)
あるあさ、おとこが おきたら、あたまが なかった。
まくらを どかして みたが、あたまは ない。
とびおきて、ベッドの したを のぞいてみた。
ひょっとして、ころがり おちているかも しれないからね。
でも、そこにも なかった。
ドアの かげ、タンスのなか、ねこの ねどこ、どこも かしこも さがしてみた。
なまごみのバケツまで あけてみた。
でも、あたまは どこにも なかった。
* * * * *
(以下、あらすじです)

男は思い出そうとしたが、頭が無いので難しい。
幸い手が、柔らかくて滑々した物を思い出した。
そうだ、ブタだ。
お祭りにブタを連れて行ったことを思い出し、もう一度そこへ行く事にした。
だけど、頭がないまま出掛けるわけにはいかない。
そこで、男は畑でカボチャを採り、目や鼻をくり貫いた。
・・・が、カボチャの頭は目立ちすぎる!
そこで今度は人参を引き抜き、ナイフで目鼻を付け、帽子を被った。
これも、目に付き過ぎる!
男は材木置き場で丸太を切り、目鼻を付け、紙やすりで磨き上げた。
丸太の頭は、とても男の頭らしく見えた。
男は祭りの広場に着いた。
昨日はブタを売る事しか頭に無かったが、今日は賑わいに夢中になって、片っ端から店を覗いた。
猛獣の檻までやって来ると、トラの小屋に向かって声を掛け、前足をポンと叩いた。
その途端トラが襲い掛かって来て、男はたまげて尻餅ついた。
警備医員がやって来て、怒鳴りつけられた。
「おまえには あたまがないのか?」
「そうなんだ。あたまを なくしちまったんだ」と、男はしょんぼり答えた。
その時突然声がして、目の前に男の子が立っていた。
髪はぼさぼさ、ズボンはぼろぼろ、破れ靴からは指が覗いている。
でも、男の子は親切そうで、賢そうに見えた。
果たしてこの男の子、男の救世主となってくれるや否や!?
* * * * *
前半は、「頭」を使った言葉遊び的要素が満載。
「頭」が付く慣用句を幾つご存知ですか?
この辺りは、幼児には理解出来ないでしょうが、カボチャや人参を頭に見立て人々と交流する姿は面白く、たいちも釘付け。
後半は謎解き+積上げ歌的要素も組み込まれ・・・
どんどんお話に引き込まれてしまいます。
ちょっと長めのお話ですが、たいち(もうじき4歳)も夢中になっていましたよ。
さて、この男の子がどんな方法で頭を探してくれるのか?
気になるところでしょ!?
勿論探し出してくれるのですが、ちょっと手荒な方法でね(^^;)
最後まで気の抜けないお話ですよ~
それにしても、マックロスキーの絵の上手い事!!!
以前紹介した「かもさんおとおり」も素敵でした。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
* * * * *
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