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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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かちかちやま

読んであげるなら 4、5 歳~

うちの子供たちが大好きな「かちかちやま」は有名なお話だけに、たくさんの「かちかちやま」が出版されています。

今回、昔話の再話者として有名な方のを読み比べてみました。




かちかちやま_e0160269_1122117.jpg

かちかちやま―日本昔話より (日本むかしばなしライブラリー)
かちかちやま_e0160269_11222922.jpg

その中で私が好きなのは、長谷川摂子さんのもの。

絵については、多少子どもっぽいかなあとは思うのですが、新しい感じ。

内容が残酷と言われる事を考慮してか、とってもソフトなイラストで、赤羽末吉さんの格調高い「画」とは、全く違った印象です。

たぬきが性悪過ぎない感じです。

おじいさんにしてみれば、田畑を荒らすたぬきは悪い奴。

一方したぬきにしてみれば、俺の縄張りと思っている山に入り込む人間こそ、余所者なわけで・・

そんな背景があるのかしら・・・なんて気もします(あくまでも私の推測)

とんとん むかし あったとさ。

じいさまと ばあさまが おったとさ。

あるひ じいさまは ぼっくら ぼっくら はたけを たがやし、うたいながら まめのたねを まいた。

「ひとつぶは せんつぶに なあれ ふたつぶは まんつぶに なあれ」

すると、「ひとつぶはー ひとつぶの ふたつぶはー ふたつぶ」という こえがした。

ふりかえると―――


ここを小澤俊夫さん再話と比較すると、

むかし、あるところに、じいさまと ばあさまが すんでいました。

小澤俊夫さんのは、「・・・・ました」という丁寧語。

私は、語り口調で表現されている長谷川摂子さんの方が好きです。 


たぬきがはやし立てる場面の、小澤俊夫さんの方は、

「じいのまめ かたわれになあれ じいのまめ かたわれになあれ」

長谷川摂子さんの方がソフトですね。

松谷みよ子さんのは、「ひとつぶは・・・」の行は長谷川摂子さんと同じ。

川崎洋さん再話では、

ずん ずん ずん ずん ずずんと むかし・・・と始まります。面白いですね。

「ひとつぶは・・・」の行は無く、

「いくら たねを まいたって みんな おれが くっちゃうよ」

と、種をほじくって食べるやら、尻尾で土を飛ばすやら・・・

「あかんべー」「こらー」・・・とのやり取り。


そしてん?と思ったのは、岩崎京子さんの、

「ひとつぶ まけば 四つぶに なあれ」

「ひとつぶ まけば ひとつぶよ。ねっきり はっきり これっきり」
の行。

貧しい農民の思いが、四粒!?・・・少ない気がします。


さて、自らも畑を耕し、「はたけうた」なる絵本も出されている田島征三さんのは、その辺りが田島さんらしい。


「かぶは ぐんぐん はっぱを のばす ぐんぐん
うさぎは ちょっぴり はっぱを かじる ちょっぴり ちょっぴり」
「よかよか、ようけ、くってけ。
かぶも はっぱも つちからも もらいものよ、まいにち たべに やってこい」
「かぜも みかた、くもも みかた、あめも みかたよ、おてんとさん みかた、
つちも くさも むしも みな みかたよ、ありゃ、うれし。あきになるのを まちかねる」


大地への賞賛や感謝が繰り返されます。


たぬきを捕まえるシーンでは、鍬を投げたり、柄で叩いたりしてたぬきを気絶させるのが、長谷川さん、小澤さんのもの。瞬間的に怒ったじい様に依るものです。

他のでは、切り株に塗ったとり餅や松脂にたぬきのお尻がくっ付いて離れなくなっています。

たぬきを捕まえようとして、事前に準備していたものですね。

田島さんのでは、寝こんだじい様に代わって、ばあ様が仕掛けます。

岩崎さん、川崎さんのでは、じい様に依る罠です。


さて、よく問題視されるばば汁のシーン。

ばあ様に化けたたぬきが、じい様にたぬき汁こしらえたと言って勧め、

「たぬきじる くうとて、ばんばじる くうた。ながしの したの ほねを みろ」(岩崎京子再話)

本によって表現が異なりますが、じい様にばば汁を食べさせるのは、小澤さん、岩崎さん、川崎さんのもの。

長谷川さん、田島さんのでは、ばば汁食べたたぬきがじい様にそう言って逃げて行くだけです。

一方松谷さんのにそのシーンは無く、殺されていたばあ様を、帰って来たじい様が見つけます。

その事について、松谷さんは巻末で、
ばば汁をおじいさんに食わせ、「ながしの下の骨をみろ」と言って逃げていくあたりの残酷さが、幼い日の印象となって残っていて、「かちかちやま」を長い間好きになれなれませんでした。
民話の中の残酷性については、様々な意見が有り、むやみにその行を書き換えたり、あまくする必要は無い、むしろその事自体が間違っていると思うのですが、あえてその行を省きました。

と仰っています。

飢えというものが現実にあって、今日生きれるか明日は有るかという死と隣合わせの苦しい暮らしにの中で、ばば汁というものが今ほどの残酷性を持たなかったのでしょう。

たいちは面白がっていますが、よく分かってないのでしょうね。

そうたはたいち程好きではありません。ばば汁の行が気になるのかもしれません。


さて、うさぎの仇討ちシーンです。

茅(柴の本もあります)を刈りに出掛けるうさぎ。

いり豆でたぬきをおびき寄せるのは、長谷川さん、岩崎さん。

川崎さんは、蒲焼です。

「うさぎどん。おめ きがつかなかったか。いま、かちかちって おとが したべ。」
「あれ、たぬきどん、しらねえのか。ここは かちかちやまだど。それで、かちかち いうだ。」


この辺は多少表現が違いますが、皆同じ。

今度は唐辛子山の行です。

うさぎを見つけ、怒ったたぬきに、

「かややまのうさぎは かややまのうさぎ。とうがらしやまのうさぎは とうがらしやまのうさぎ。そいつはおれじゃないさ。」

と言って、火傷の薬と称する唐辛子をたぬきの背中にべったり。

岩崎さんのだけは変わっています。

うさぎがじい様に辛子入りの火傷薬を作ってもらい、昨日は悪かった、良く効く薬を持ってきたと、たぬきの所を訊ねます。

固定観念がある為か、しらを切るお話の方が「かちかちやま」らしいかなと私は思います。

田島さんの、火傷したたぬきの絵は強烈。

たいちはそのシーンを面白がって、他のを読んでいても、そこだけは田島さんの絵本を捲って大喜び。


そして泥舟のシーン。

岩崎さんのでは、またまたじい様に舟を作ってもらいます。川崎さんのも同じ。

魚採りに誘うものが多い中、岩崎さんと川崎さんのは、怪我の気晴らしに!と誘います。

船べりを叩く掛け声は様々。

「きのふね ぼんこらしょ。つちぶね ざっくらしょ。」(小澤さん再話)

これが一番リズミカル♪

泥舟が壊れ、たぬき諸共沈んでしまったと終わるものが多い中、川崎さんのと、田島さんのは、じい様に敵を取ったーっ!と伝えるシーンで終わります。

* * * * *

先週の4日、火曜日にあった、この本だいすきの会の例会で、この読み比べの話をしようと、長谷川摂子さん再話の「かちかちやま」を読む予定でした。

・・・が、「かちかちやま」好きなたいちが、園に持っていってしまいました。

小澤さん再話の」はあまりに有名なので、問題提起として岩崎京子さん再話のを読みました。

小松崎先生曰く、「かちかちやま」にはこれ!という、決定的な内容は無いので、自分で面白いと思ったものを選んで良いとの事でした。

ところで五大昔話をご存知ですか?

「桃太郎」「舌きり雀」「さるかに」「花咲爺」「かちかちやま」

「忠臣蔵」などの勧善懲悪が持てはやされた江戸時代に、人気のあったお話です。

昔話って言っても、何を読んであげたら良いの?と迷ったら、まずはこの五大昔話から始めてみませんか?

それらも多くの方が書いていて迷うところ。

桃太郎などは、犬・猿・雉の出てくる順番が可笑しなものもあり、要注意です。

最後は懲らしめられた相手も皆仲良くなって、めでたしめでたしなんて話も少なくありません。

しかし、それは松谷さんが仰るように、「むやみにその行を書き換えたり、あまくする必要は無い、むしろその事自体が間違っていると思う」事の典型です。

以下のものはオススメですが、「かちかちやま」同様、他の書き手のものと読み比べてみるのも、面白いと思いますよ。







最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

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by yomuyomuehon | 2011-10-09 12:10 | 昔ばなし