うらしまたろう
読んであげるなら 大人向け
(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)
いまはむかし、ある海べの村に、
「うらしまたろう」という 男がいた。
もう 四十にもなるというのに、
つるんと わかく、きれいな かおだちを していた。
まいにち さかなつりを しながら、
母おやと ふたりで つましく くらしていた。
* * * * *
(以下、あらすじです)
その日、一人で小舟を漕いで沖に出ていたたろう。
小魚1匹掛からず、三日三晩辛抱強く魚を待った。
四日目の日が傾き始めた頃、突然強い引きがあって、釣り上げるとそれは、大きな五色のかめだった。
かめを舟に乗せ、うっとり眺めている内、たろうは眠りに落ちた。
「たろう、たろう」と呼ぶ声に、目を覚ますと、そこにはかめでなく女が居た。
女に竜宮城へ誘われ、言われるがままに目をつぶり、女の手を取ると、あっという間に海の底。
そして竜宮城へ。
そこで、女はかめ姫と呼ばれていた。
初めて聴く楽器の調べ、愛くるしい娘達の踊り、舌もとろけるご馳走に、たろうは時を忘れた。
夜が更けて、一人減り、二人減り、気づくとたろうはかめ姫と二人きり。
二人は寄り添い、夫婦になった。
怒る事も無く、泣く事も無く、毎日遊んで暮らす内、三年の月日が流れた。
ある日、かめ姫に誘われ、たろうは離れの間に通されて見たものは・・・
* * * * *
皆さんご存知の「うらしまたろう」とは、大分違ったお・と・なの!?うらしまたろう。
いじめられていた亀を助けたその恩返しに!という訳ではなく、女に誘われるままに竜宮城へ行き、遊んで暮らした三年間。
♪「おとひめさまのごちそうに~、た~いやひらめのまいおどり~」
そこは一緒ですね。
この続きがまた、あなたが知っているはずの「うらしまたろう」と大分異なります。
それにしても、艶っぽいうらしまたろうです。
大人向けのお話でしょうか(^^;)
「浦島太郎」は伝説です。
口から口へと語り継がれてきた昔話とは違います。
一般的な浦島太郎は、明治以降の教科書が元になっているようです。
これは、8世紀頃に記された「丹後国風土記」の浦島子の物語を元に再話されたものだそうです。
(「うらしまたろう」巻末より)
昔話には、発端句(「むかしむかし・・・」など)と、結句(「どっとはらい」など)の決まり文句がある。
また、固有名詞を示さず、描写も最小限度にとどめ、それってほんと!?的な作り話風。
一方伝説は、同じ昔の話であっても、具体的で、登場人物も歴史上の有名な人物や、その土地の何と言う人物など、詳細に記そうとしているものが多い。
民話とは、この昔話・伝説に、説話・世間話を加えたの4つからなります。
このうらしまたろうは、「いま読みたい、伝えたい、こんなに面白い昔話絵本」シリーズの一冊です。
他はまだ読んでないのですが、今まで聞いていたお話と違う切り口で語られていそうなので、読んでみたいと思います。
6月にこの本だいすきの会の例会で、小松崎先生が読んでくださいました。
図書館で新刊のところにあったので、早速借りてきたのですが、うちの子ども達には大人っぽ過ぎる!?
・・・と思い、読んでません。
さて、昨日は小松崎進先生の講演会&読み語りがあり、子ども三人連れて出掛けて来ました。
存分に体を動かさずに座らせてしまったので、ほんと落ち着かない子ども達(^^;)
でも、また次の土曜日に講演会に出掛けるので、パパによろしく~!と頼むわけにもいかなかったので・・・
暫くして、会場をばたばた走り回る子ども達。
ああ、外遊びさせれくればよかった!!!
是非、皆さんも、子どもを座らせておきたい場所に連れて行く時は、事前に体を十分動かせてからにしましょう!
しかし、先生がお話を読み始めると、ピタッと静止して絵本をみつめ、話を聞くのでした。
子どもは皆お話が大好きです♪
その中で小松崎先生が紹介されていた、宮川ひろさんの「母からゆずられた前かけ」
その中の「いい話ひとつ」・・・昔ばなしの語り部遠藤さんから聞いたお話で、「ことばは、心を育てる母乳だという」という一節があります。
遠藤さんの姪御さんが交通事故にあって、意識不明のまま何日か過ぎました。
お医者さんからは切ない宣告を受けていました。
あんなに話の好きな子だったのに・・・と思った遠藤さんは、姪御さんの手を握り小さい声で語りだしました。
すると、無表情な顔のままなのに、小さくあいた口から空気だけを震わせて笑ったのだそうです。
聞こえててくれたのかと、繰り返し語り続け、その内フゥーと大きく息を吐き、目を開けてくれたのだそうです。
言葉は、おかあさんのおっぱいといっしょに、呑み込んで覚えるのだとも言われる。
昔話という言葉をたくさん呑み込んで、からだの中に血の中に貯えてあったから、意識の糸を引き出す事ができたのだと思った。
辛い時に、息を吹き返す力になってくれるようなものを、たくさんもらいこんでおく事が、育つという事ではないだろうか。
「絵本の読み語りが生きる力を育む」という小松崎先生の講演会の最後は、こんな素敵なお話で閉められたのでした。
子どもに読み聞かせてきた絵本は、子どもの宝物。
嫁に行くまで!?、婿に行くまで!?、はたまた孫の孫の代まで、大切にとっておきたいですね(^^)
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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