花をかう日
読んであげるなら 6、7 歳~
(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)
外へでて、うらぐちのドアを、そっとしめたの。
ユミねえちゃんのへやからは、しずかな音楽がきこえている。
盲導犬のシェピイといっしょに、ラジオのコンサートを きいているのかな。
* * * * *
(以下、あらすじです)
お母さんは、眠っているみたい。
四日前に、階段を踏み外したのよ。
足先まで大きいギブスを巻いている。
「つかれたが、いっぺんに、でたんだよ。いまは、ねむることだ」
しょんぼりしているお母さんに、お父さんは言った。
お母さんは、随分痩せた。
疲れすぎていたから、踏み外したのね・・・
お花屋さんに急ぎながら、そんな事を思ったの。
今日はユミねえちゃんの誕生日。
何も見えないユミねえちゃんに、花の匂いをプレゼントしたいの。
ユミねえちゃんの目が痛んだのは、一昨年の春。
雨がひどく降る真夜中だった。
お父さんとお母さんが青くなって、お姉ちゃんを病院に連れて行った。
そのまま入院してしまったお姉ちゃんが帰って来たのは、もう寒い冬になってから。
あの日、学校から帰った私が裏木戸から入ると、縁側にお姉ちゃんが座っていた。
蝋みたいに白い顔、肩に掛かった黒い髪・・・
息をしていない人形のようだった。
その顔が、こちらを向いて、
「そこにいるの、おかあさん?」
細い、消えそうな声。
私、少し震えて、後ずさりしようとして、お母さんに背中を押されたの。
お姉ちゃんの白い顔がすぐ目の前に来た時、胸の辺で堪えていた何かが弾けて、
泣き出してしまったの。
大きな声で泣き続けた。
私、そんなひどい事をしたって、おばあさんになるまで覚えているからね。
それからよ、お姉ちゃんは夜になると、夜が怖いと泣いた。
朝になると、朝が怖いと泣いた。
風の音も、雨の音も、足音も、話声も、笑い声も・・・
全てに怖がって泣いた。
家の中はひっそり。
年が明けて、春になったある日、
お父さんが盲導犬の話をした。
申し込んでも、
「うちにくるのは、だいぶ、さきのことだろうな」
それから一年後、春と一緒に、シェパードのシェピーが家に来たの。
うれしかったなあ。
お姉ちゃんに、シェピイの色を何回も説明したわ。
目を開けた。
ここは花屋さんの店先。
シェピイが来て三週間。
うちの周りを少しずつ歩くようになった、ユミ姉ちゃんの誕生日。
甘い、ふんわりした、優しい匂い。
桃色の小さな花。
私、この花に決めたの。
お店のおばさんは、アラセイトウと言う名を教えてくれた。
花束を持って柳の並木の下をスキップ、スキップ。
でも、少しして、どきっと、立ち止まった。
道路を横切ろうとしている、お姉ちゃんとシェピイの姿が見えたの。
ここは駅に近いので、車がよく通るのよ。
むちゃよ。
やめてと、走り出そうとした時・・・
* * * * *
このお話を読んだのは、「あまんきみこセレクション 春」が先でした。
短いお話なのですが、ぎゅっと胸を締め付けられたのでした。
子どもに読もうと思って絵本を探した所、
味戸ケイコさんの絵による、この絵本がありました。
このお話には、味戸さん以外考えられないかも・・・
障害者を描くお話なのですが、それだけでないものを感じます。
家族の苦悩や愛、母の想い、姉に対する妹の想い、障害を乗り越えようとしている姉の想い・・・
短いお話の中に、それらがぎゅっと詰まっています。
園児に読むには、少し早かったかなあって気もしましたが・・・
地味な絵本なので、手にされる機会が少ないかもしれません。
でも、是非読んでいただきたいお話です。
小松崎先生が仰っていた、「相手の気持ちを知るために読む」って部類に入る絵本ですね。
* * * * *
今更ではありますが、
3月3日は、ベビーちゃんの初節供でした。
私が○十年前に着た着物を着て、写真を撮りました。
パパ似!そうた似!と言われ続けたベビーちゃん。
段々私に似てきたか!?
動きにくい着物は相当イヤだったようで、引きちぎらんばかりに嫌がるベビーちゃんでした。
お祝いは、散らし寿司に潮汁。
なんともシンプル!(シンプルとは聞こえが良いが・・・手抜き?)
この先も、大病せず、健康に育って欲しいもの。
来月は早くも1歳の誕生日です。
たいちプロレス技をかけられても、泣くことなく、果敢に立ち向かい、やり返すベビーちゃん。
さすが寅年(^^;)
伝い歩きも出来るようになりました。
私の足裏に乗せての飛行機も大好き!
そこからぐるっと空中で一回転。
きゃっきゃっ、きゃっきゃっと大喜びです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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