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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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花をかう日

あまん きみこ
ポプラ社
発売日:1999-06



読んであげるなら 6、7 歳~


(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)

外へでて、うらぐちのドアを、そっとしめたの。

ユミねえちゃんのへやからは、しずかな音楽がきこえている。

盲導犬のシェピイといっしょに、ラジオのコンサートを きいているのかな。




 * * * * *


(以下、あらすじです)


お母さんは、眠っているみたい。

四日前に、階段を踏み外したのよ。

足先まで大きいギブスを巻いている。

「つかれたが、いっぺんに、でたんだよ。いまは、ねむることだ」

しょんぼりしているお母さんに、お父さんは言った。

お母さんは、随分痩せた。

疲れすぎていたから、踏み外したのね・・・

お花屋さんに急ぎながら、そんな事を思ったの。


今日はユミねえちゃんの誕生日。

何も見えないユミねえちゃんに、花の匂いをプレゼントしたいの。


ユミねえちゃんの目が痛んだのは、一昨年の春。

雨がひどく降る真夜中だった。

お父さんとお母さんが青くなって、お姉ちゃんを病院に連れて行った。

そのまま入院してしまったお姉ちゃんが帰って来たのは、もう寒い冬になってから。


あの日、学校から帰った私が裏木戸から入ると、縁側にお姉ちゃんが座っていた。

蝋みたいに白い顔、肩に掛かった黒い髪・・・

息をしていない人形のようだった。

その顔が、こちらを向いて、

「そこにいるの、おかあさん?」

細い、消えそうな声。

私、少し震えて、後ずさりしようとして、お母さんに背中を押されたの。

お姉ちゃんの白い顔がすぐ目の前に来た時、胸の辺で堪えていた何かが弾けて、

泣き出してしまったの。

大きな声で泣き続けた。

私、そんなひどい事をしたって、おばあさんになるまで覚えているからね。


それからよ、お姉ちゃんは夜になると、夜が怖いと泣いた。

朝になると、朝が怖いと泣いた。

風の音も、雨の音も、足音も、話声も、笑い声も・・・

全てに怖がって泣いた。

家の中はひっそり。


年が明けて、春になったある日、

お父さんが盲導犬の話をした。

申し込んでも、

「うちにくるのは、だいぶ、さきのことだろうな」


それから一年後、春と一緒に、シェパードのシェピーが家に来たの。

うれしかったなあ。

お姉ちゃんに、シェピイの色を何回も説明したわ。


目を開けた。

ここは花屋さんの店先。

シェピイが来て三週間。

うちの周りを少しずつ歩くようになった、ユミ姉ちゃんの誕生日。

甘い、ふんわりした、優しい匂い。

桃色の小さな花。

私、この花に決めたの。

お店のおばさんは、アラセイトウと言う名を教えてくれた。

花束を持って柳の並木の下をスキップ、スキップ。


でも、少しして、どきっと、立ち止まった。

道路を横切ろうとしている、お姉ちゃんとシェピイの姿が見えたの。

ここは駅に近いので、車がよく通るのよ。

むちゃよ。

やめてと、走り出そうとした時・・・


* * * * *


このお話を読んだのは、「あまんきみこセレクション 春」が先でした。



短いお話なのですが、ぎゅっと胸を締め付けられたのでした。

子どもに読もうと思って絵本を探した所、

味戸ケイコさんの絵による、この絵本がありました。

このお話には、味戸さん以外考えられないかも・・・


障害者を描くお話なのですが、それだけでないものを感じます。

家族の苦悩や愛、母の想い、姉に対する妹の想い、障害を乗り越えようとしている姉の想い・・・

短いお話の中に、それらがぎゅっと詰まっています。


園児に読むには、少し早かったかなあって気もしましたが・・・

地味な絵本なので、手にされる機会が少ないかもしれません。

でも、是非読んでいただきたいお話です。


小松崎先生が仰っていた、「相手の気持ちを知るために読む」って部類に入る絵本ですね。


* * * * *


今更ではありますが、

3月3日は、ベビーちゃんの初節供でした。

私が○十年前に着た着物を着て、写真を撮りました。

花をかう日_e0160269_754637.jpg


パパ似!そうた似!と言われ続けたベビーちゃん。

段々私に似てきたか!?

動きにくい着物は相当イヤだったようで、引きちぎらんばかりに嫌がるベビーちゃんでした。

お祝いは、散らし寿司に潮汁。

花をかう日_e0160269_76134.jpg


なんともシンプル!(シンプルとは聞こえが良いが・・・手抜き?)



この先も、大病せず、健康に育って欲しいもの。

来月は早くも1歳の誕生日です。

たいちプロレス技をかけられても、泣くことなく、果敢に立ち向かい、やり返すベビーちゃん。

さすが寅年(^^;)

伝い歩きも出来るようになりました。

私の足裏に乗せての飛行機も大好き!

そこからぐるっと空中で一回転。

きゃっきゃっ、きゃっきゃっと大喜びです。





最後まで読んでくださって、ありがとうございます。



 * * * * *


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by yomuyomuehon | 2011-03-08 07:11 | 愛のある絵本