きつねにょうぼう
読んであげるなら 6、7 歳~
(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)
むかし あるところに、
びんぼうな ひとりもんの男が あった。
シッポ シッポと あめのふる ばんがた
山の田んぼから かえってくると、
うしろから ついてくるものが ある。
ふりかえってみると、
それは いとしげな わかい女だった。
「どこへ いくがんだ」
と 男が こえをかけると、女は いった。
「おらは たびのもんだが、もう くらくなったすけ、
こんやは おまえさんのいえに とめてもらおうと おもうて
ついてきた」
「そうか。おらどこは おらひとりで ごっつぉも ないが、
それで いいけや とまるがええ」
「なじょうも とめてくだされや」
* * * * *
(以下、あらすじです)
こうして、女は男の家に泊まったのだが、
一晩、二晩・・・いっこうに出て行く様子が無い。
家の中をくるくると毎日よく働いた。
男が、どういうつもりかと問うと、
「おらを おまえの かかにしてくれや」
と女は言った。
二人は夫婦になり、二人の間には男の子が生まれて、
ててっこうじと名を付けた。
ててっこうじが三つになった、ある春の日の事、
「昼飯を持って、ててっこうじを連れ、後から田んぼに来てくれ」
と言って、出掛けたとっつぁ。
家に残ったかかは、昼までに一仕事と、機織り台に座った。
ふと手を休め、目を上げると、
外は椿の花盛り。
それがあんまり見事だったから、かかはついうっとり。

そこへててっこうじが駆けて来て、
「かかの しっぺたから でっこい しっぽが ぶらさがっとる」
慌てたかか。
でも、もう遅かった。
椿に見惚れ、うっかりきつねの正体を現してしまったのだ。
「もう このいえには おられん」
泣く泣くててっこうじを抱き上げ、こんな歌を歌った。
「ほんに かわいや ててっこうじ
かかは お山に かえるぞな
とんぼや ちょうちょを とってくうな
きつねのこ だてて いわれるな
きょうから かかは おらねども
とと と おまえが まめなよに
かかが まもってやるすけに
いっぺ まんまくって おおきくなれや
いっぺ あそんで おおきくなれや
ほんに かわいや ててっこうじ」
そしてきつねの姿になって、飛ぶように山へ帰って行った。
やがて腹が減って仕方なく、家に戻って来たとっつぁ。
帰ってみると、ててっこうじが一人っきりで、おんおん泣いているではないか。
わけを聞いて、えらいたまげたとっつぁであったが、
「そうか、そうか、かかは きつねであったか」
と繰り返し言っては、涙に暮れた。
かかが居なくなって、いよいよ明日は田植えという日、
山の田んぼの方から、一筋に澄んだ歌声が聞こえてきて・・・
* * * * *
こんなにも、母の心をキュンとさせるお話はないのではないか!
と思えます。
最後の方は、声が震えて読めない事も!
以前紹介した「つるにょうぼう」と同じなのは、
貧しくて自分の田畑も持てず、ましてや嫁など持てまい農家の次男三男坊の、
嫁欲しや物語!?
でも、私が一番ウルッと、キュンときたのは、
上に紹介したお話の続きにある、
とっつぁが田植えをしに山の田んぼへ行くと、既にかかが元の(女の)姿で、
田植えをしていて、その後、
他の畦に座って、ててっこうじに乳を飲ませるところ。
「なじょうも いえに もどってくれよのう」
と言うとっつぁに、首を横に振り、
乳を飲ませ終えると、きつねの姿に変わり、山へ飛んでいってしまったのです。
ううっ、何度読んでも切ない(泣き)
だからこれは、男の「嫁欲しや物語」というより、母の「我が子恋しや物語」
それにしても、かかが思わず気を緩め、シッポを出してしまったという椿。
このページは実に見事です。
私も思わず!?
って、出すものないか(^^)
そのページだけじゃなく、全てのページが素敵なのです。
それぞれが一人ものだったとっつぁとかかの辺りは、暗く重い色使い。
二人になり、やがて家族が出来た辺りからは、この世の春?と云わんばかりの美しさ。
同じ景色を見ても、一人っきりじゃないって思うと、美しく見えるもの。
そういう幸せな感じがよく出ているんです。
「生まれてバンザイ」に涙したあなた、そうあなた!!!
絶対に読んでくださいね。
先の月曜日、「この本だいすきの会」の例会と小松崎先生とのランチの予定でしたが、
ベビーちゃんの発熱で参加出来ず。
今回読み当番だった私は、これを読もうと練習していました。
残念!
うちの子達にはあまり受けないので(^^:)、家では読ませてもらえず。
パパは大好きなお話だそうですが・・・
是非とも次回、読ませても~らおうっと!
さて、今日、母が来ました。
語りをやっている母は、以前これをやった事があると言って、読んでくれたのですが、
私より、はるかに上手い!
母曰く、新潟方面の方言だそうで、
「ててっこうじの てての田は
一ぽん うえれば 千ぼん
ふかずとも・・・」
という行も歌ってくれたのですが、
ははあ、そう歌うのね~!
次回の「この本だいすきの会」で、代わりに読んで!と頼んだくらい(^^)
誰かのに似てる!と思ったら、宮川ヒロさんの語りの時の声でした。
語り向きみたいです。
ボケ防止にもなりそうな語り(へへっ)
長~く続けて、また聞かせてちょーだいね、お母さん♪
* * * * *
さて、皆様にご心配いただきましたベビーちゃん。
熱は火曜日夜から下がり、昨日からは平熱に戻りました。
そして、顔はおサルのお尻のようにまっかっか。
お腹と背中に、無数の赤い発疹。
少し笑うようになり、少し動くようになり、一口二口食べる事もあり・・・・
しかし、ご機嫌はすこぶる悪く、
置くと泣くので、ずーっとおんぶです。
発疹でたので、もう少しかな
ご心配頂き、ありがとうございました。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
* * * * *
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