泣いた赤おに
読んであげるなら 小学高学年~
(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)
どこの山か、わかりません。
その山のがけのところに、家が一けんたっていました。
きこりが、すんでいたのでしょうか。
いいえ、そうではありません。
そんなら、くまが、そこにすまっていたのでしょうか。
いいえ、そうでもありません。
そこには、わかい赤おにが、たったひとりで、すまっていました。
* * * * *
(以下、あらすじです)
この赤鬼は、優しい素直な鬼でした。
できる事なら、人間たちの仲間になって、仲良く暮らして生きたいと思っていました。
ある日、自分の家の戸口の前に、木の立て札を立てました。
「ココロノ ヤサシイ オニノ ウチデス。
ドナタデモ オイデ クダサイ。
オイシイ オカシガ ゴザイマス。
オチャモ ワカシテ ゴザイマス。」
立て札には、そう書かれていました。

しかし、家には一向に人間が訪ねてくる気配は無く・・・
気短者であった赤鬼は、立て札を引き抜き、踏みつけました。
そこへやって来た、仲間の青鬼。
赤鬼の話を聞くと、次にような提案をしたのです。
「ぼくが、これから、ふもとの村へおりていく。そこで、うんとこ あばれよう。
あばれているさいちゅうに、きみがやってくる。ぼくをおさえて、あたまをぽかぽかなぐる。
そうすれば、人間たちは、はじめて、きみをほめたてる。そうなれば、しめたもんだよ。」
しかしそれでは青鬼にすまないと渋る赤鬼を、青鬼は無理やり引っ張って、村へ連れて行きました。
結局この計画は上手くいき、村の人々は次々に、赤鬼の家へやって来るようになったのです。
けれども日数が経つにつれ、心がかりになるものが一つ。
それは青鬼の事・・・
あの日以来、青鬼は一度も訪ねて来なくなったのです。
ある日、赤鬼は青鬼の家を訪ねてみることにしました。
硬くしまった戸の脇の張り紙に気付いた赤鬼。
そこにはこう書いてあったのです。
「アカオニクン、ニンゲンタチトハ ドコマデモ ナクヨク マジメニ ツキアッテ タノシク クラシテ イッテ クダサイ。・・・・
(もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。どこまでも君の友達、青鬼)」
赤鬼は、黙ってそれを何度も読み、しくしく涙を流して泣きました。
* * * * *
多くの人間と仲良くなった赤鬼は、果たして唯一無二の友達(青鬼)を失ってしまったのでしょうか?
私はそうは思いません。
人間の所で暴れると言った青鬼に、「それでは君にすまない」と言った赤鬼ですが、そもそもどれ程青鬼の存在を大切なものとして捉えていたのでしょう?
こういう事態になる前の、赤鬼と青鬼の付き合い方が描かれていないので、どれ程の付き合い方だったのか判りませんが・・・
会えなくなって初めて気付いた、その存在の大きさ。
本当の友達とは、頻繁に会っていれば良いって訳ではなく、滅多に会えなくとも、心に占める存在の大きさではないかと思うのです。
会えなくなって初めて、青鬼が自分にとって唯一無二の友達である事を自覚出来たのではないでしょうか?
「しくしく泣いた」という事から、失った事・青鬼に悪い事をしたと思う、自責の念が感じられます。
でもこの「泣いた」の意味の中には、本当の友達を得たと言う喜びもあるのではないかと・・・
(この解釈は間違っているかもね、まあ、私の個人的解釈なので・・・)
人間が立て札を見てやり取りするシーンは、とてもリズムの良い会話で、読んでいても気持ちが良いもの。
しかしそこに書かれているのは、人間のエゴ。
美味しいお菓子やお茶や、こざっぱりした赤鬼の家を褒める人間達って、何だかイヤらしい。
赤鬼自身を見つめたものではありません。
本当の友達って、見返りを期待するものでもなく、見た目で選ぶものでもありませんよね。
そして友達って、多ければ良いものでは無いですよね。
いつか生涯の親友を持てる子に育てる事も、親の役目かなって思いました。
でも、どうやって?・・・う~ん、難しいね(悩)
ところでこの絵本、何歳から読むべきか?
自己犠牲って事を考えると、幼稚園児では無理ですよね?
でも、 「花さき山」では主題でもあります。
ただ、友達に対する自己犠牲と、親兄弟に対する自己犠牲では、大分開きがあるのではないでしょうか?
私はまだ早すぎると思うので、当分年中のそうたに読む気はありません。
小学生も高学年になってからでしょうかね?
今週、そうたが先生に読んでもらおうと、園に持って行ったっきりの「かたあしだちょうのエルフ」
これも自己犠牲が主題。
「エルフってかっこういい!」「エルフはかわいそう~」って感情は、園児なら持つのでしょうね。
まだ難しいよなあ・・・って、親としては思うのですが、そんな感情と違う所で楽しんでいる様子。
友達とは果たしてどんな存在か?それもまた難しい
良い絵本でも、いつ頃から読んであげるか・・・う~ん、難しい問題ですね。
* * * * *
23日の午前中にあった、「この本だいすきの会」の支部例会。
そこで紹介された「泣いた赤おに 」なんですが、同じタイトルでいくつか出ていますが、
読んであげるなら、この「泣いた赤おに 」。
最後の、青鬼の家の前の張り紙が、浜田広介さんが書いた通りで、省略されていないものを選ぶように!と小松崎先生からのお話がありました。
例会で取り上げられた絵本や、先生のお話については、またじっくり時間が取れた時にupします。
何しろ今週は忙しくて・・・
その上、睡眠時間を大分要する体になってしまったもので・・・
「泣いた赤おに 」についてはもっと読み込んでから、紹介したかったのですが、中途半端ですみません。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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