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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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はなさかじい



読んであげるなら 4、5歳~


(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)

むかし、あるところに、じいさまと ばあさまが おった。

としをとっても 子どもが おらんかったので、

あるとき まちへ 子どもを もらいに でかけることになった。

まちへ いく てまえに まつばらが あって、

その まつばらの なかの 一本の ふとい まつの ねかたに、

白い めんこい ちっこい いぬが ちんまりと まるまって、

じいさまと ばあさまを みあげておった。

「じいさま じいさま どこへいく。」

「まちへ 子どもを もらいにいくだ。」

「わしを 子どもに してはくれんか。」

「まちへ いっても 子どもがなけりゃ、そんとき おまえを こどもにしよう。」

はなさかじい_e0160269_16115656.jpg


 * * * * *


(以下、あらすじです)


結局子どもは見つからなくて、この犬を二人の子どもにした。

子犬はどんどん大きくなって(このくだりは、桃太郎などと似てます)、ある日、こう言った。

鞍を付けて背中に乗れと。

じい様は遠慮したが、犬はじい様を無理やり乗せると、山道をちゃんこちゃんこ登っていった。

そして犬がここを掘れと言う所を、じい様まが掘ると、

じいさまには かねぶく かねぶく  ばあさまには かねぶく かねぶく

大判小判やら、何やらかにやら、ぴかぴか光るものが、いっぱい出てきた。
はなさかじい_e0160269_16121060.jpg


それを家に持ち帰ると、隣のじい様とばあ様が聞きつけやって来て、犬を借りて行った。

同じ様に犬に鞍をつけ、山道を登って、じい様がそこら一面掘り出すと、

出てきたのは、

じじいには かたくそ  ばばには びたくそ

という音がして、蛇やらムカデやら、蛙やら蟷螂やら何やらかにやら、ろくでもないものばかり。

怒ったじい様は、鍬で犬を殺してしまった。


犬を貸した方のじい様とばあ様は、死んだ犬を大事に抱えて持ち帰って埋めてやり、一本の松の木を植えた。

水を遣る毎に木は伸びて、大きな太い木になった。

そこへ綺麗な鳥がやって来て、

じいさま じいさま、この木 きって うすにせ

と啼き始めたので、じい様はその通りにした。

その臼で、米を搗き始めると、

つづら ぽんぽん こがね さらさら

つづら ぽんぽん こがね さらさら

ぽんぽん ぽんぽん


そこら一面、光り輝くものでいっぱいになった。


その事を聞いた、隣のじい様とばあ様。

同じ事をしたのだが・・・

じじいの とこへは うしのくそ

ばばあの とこへは うまのくそ

べったりこ べったりこ


そこら一面、牛の糞、馬の糞だらけ

がんがんに怒ったじい様とばあ様は、この臼をめったらめっぽう叩き割って、つん燃やして、灰を厠の隅にぶっちゃってしまった


臼を貸したじい様とばあ様は、この灰を大事に抱えて持ち帰り、畑に蒔いた。

ある日、風が、灰を蒔いているじい様の掌の灰を吹き飛ばし、枯れ木に降りかかった。

すると枯れ木に芽が吹き出し、またの一振りで芽が蕾に、またまたの一振りで、花が咲いた


殿様が通るという日、じい様は灰をたがえ、枯れ木に登って待っていた。

「そこに いるのは どこの じじいだ。」

「にっぽん一の はいまきじじい。」

「はいをば まいて なんとする」

「ひとつ ひとまき めを ふかし、ふたつ ふたまき ふくらむ つぼみ、三つ 三まきで、かれ木に はなを さかそうぞい。」


そして、

「ちんぱらりん ごようのまつ、ひとふり ふれば はな つぼむ、ふたふり ふれば はなが さく。」

と言いながら、枯れ木に灰を振りかけた。

すると、そこら一面降りかかるような花盛り。

これには殿様大喜びで、じい様はどっさり褒美を貰って家へ戻った。


そしてまたまた登場・・・となりのじい様。

結果は?もうお分かりですよね?

・・・って皆知ってるお話ですね~


 * * * * *


「はなさかじい」も、色々な方が書いてます。

私が今回読み比べたのは、このポプラ社の「はなさかじい」吉沢和夫・文 桜井誠・絵と、

フレーベル社の「はなさかじい」松谷みよ子・文 瀬川康男・絵の2冊

松谷 みよ子
フレーベル館
発売日:2002-11





冒頭の、犬に出会うシーンは、大分異なります。

松谷さんの「はなさかじい」では、

川に魚を捕りに行ったじいの、籠の中に入っていたのは木の根っこ。

それを乾かして、薪にしようと割った所、中から子犬が生まれ、「しろ」と名づけます。

それに対し吉沢さんの方は、柳田国男さんの、犬は神の申し子という意見に引かれ、

たった一つしかない福井県坂井郡の民話から取ったとの事。



皆が耳にした事のある、「ここ ほれ ワンワン」台詞。

吉沢さんのは出て来ませんが、松谷さんのには出てきます。



じい様とばあ様を形容する言葉について、

吉沢さんの方は、隣のじい様とばあ様についても、 「となりの・・・」とサラリと流している感じ。

この意図は巻末に、作者の言葉で載っていますので、読んでみてください。

松谷さんの方は、「まめなじいとばあ」に対し、「ぶつくさじい と ひこひこばんば」



私が、読んでいてリズムが気持ち良く、面白いと思ったのは、吉沢さんの文の方。

皆知ってるお話ですが、こんなに長くあらすじを書いたのは、表現の面白さを伝えたかったから!

でも瀬川康男さんの、動きのある、まるで動画を見ているかのような絵は、実に魅力的。

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そうたは松谷・瀬川コンビの方が好きだと言ってます(^^)


是非、読み比べてみてくださいね。


* * * * *


♪「うぐいす」

う~めの こえだで うぐいすが~

は~るが きたよと うたいます~

ほっほっ ほけきょ~ ほ~ ほけきょ~





梅が咲き始めたわっ♪と思っていたら・・・立春過ぎからと~っても寒かったですね!

週明けから一転、桜の咲く頃の陽気とか・・・

春はもうすぐですね~(ルルルル ル~)

そろそろ鶯も歌い出すでしょうか?



 * * * * *


瀬川康男さん死去

ブログをアップしたところで、このニュースに気付き、愕然としました。

何と言う偶然!

瀬川康男さんの絵には、癒され、驚かされ・・・たくさんの絵本を読んできました。

とても残念です。

ご冥福をお祈りいたします。

以前紹介した瀬川康男さんの絵本はこちら
 ↓ ↓ ↓
「いないいないばあ」


「ことばあそびうた」



「ばけくらべ」 
松谷 みよ子
福音館書店
発売日:1989-09-25






最後まで読んでくださって、ありがとうございます。


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by yomuyomuehon | 2010-02-20 16:20 | 昔ばなし