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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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難民問題を知る☆「ドコカ行き難民ボート」

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ドコカ行き難民ボート。

シモン ストランゲル/汐文社

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地球から子どもたちが消える。

シモン ストランゲル/汐文社

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中学生以上向け

これらの本は、出版社の案内に小学高学年(5、6年生以上向け)とあります。

しかし、「地球から子どもたちが消える」では、ショッキングな性的虐待が描かれている点から、まだ小学生には早いのではないかと考えます。



今世界を揺るがす、シリアからの難民問題。

それもあって、この本を手に取りました。

戦争、民族紛争、人種差別、宗教的迫害、思想的弾圧、政治的迫害、経済的困窮、などの理由により祖国を逃れた、あるいは追われた人たち

自らの命を守るため、なんらかの手段を使って国外に脱し、他国の庇護と援助を求めるのですが・・・

現実は、そううまく行かない。


『ドコカ行き難民ボート』

アフリカ・ガーナの貧困からの脱出を試みたサミュエル18歳。

ヨーロッパでの豊かな生活を夢見て・・・

サミュエルが家を出る時、お母さんは、お父さんと何年も溜めてきたという大金をサミュエルに渡してくれた。

サミュエルはヨーロッパに行きさえすれば、二倍にも三倍にもして返せるはずだと思っていた。
サミュエルは密航業者にお金を渡してカナリア諸島を目指した。

ぎゅうぎゅう詰めのボートに乗り込んだ21人。

赤ん坊・女の人・青年。

屋根もライフジャケットも、航路図もセーフベストもGPSも無い。

あるのは、ヨーロッパへの夢と祖国への絶望のみ。

船は途中ガソリンが尽き、食料がつき、水がつき・・・そして何人ものが死んだ。

24日目、漂い続けた船はようやくカナリア島の浜辺に着いた。


ノルウェーから家族でバカンスに来ていたエミーリエ15歳。

観光客が集う場所を離れ、ジョギングをしていたエミーリエの目の前に現れた、今にも壊れそうな木のボート。

エミーリエは海に入り、ロープを手繰り寄せ、船を引いた。


サミュエルたち難民をどうにか助けたいと、彼らを空き家にかくまい、食料を運んだエミーリエ。

しかしサミュエルは捕まってしまい、難民受け入れ施設に収容される。

そしてエミーリエはノルウェーに戻る所でこのお話はお終い。


そしてこの続きが、『地球から子どもたちが消える』

命を懸けて、大金をはたいて渡ったヨーロッパからサミュエルは飛行機であっという間にアフリカに帰されてしまった。

育った家の窓を覗き、お母さんの顔を見たサミュエルは、結局家に戻る事が出来ず立ち去りる。

隣村の公衆電話から家に電話をかけると、お金が必要だと言うお母さんの声。

仕事を探さなくては・・・

カカオ農園で働く事にしたサミュエルに待ち受けていたのは、実に過酷で悲惨な出来事だった。

そこからサミュエルの人生は更に転落の一途を辿る。


このお話の結末はかなりショッキングです。

フィクションではありますが、ノンフィクションです。

世の中は不公平。

どこに生まれたかによって、命を繋ぐ事も出来ない。


エミーリエの住むノルウェーは日本とほぼ同じ面積に、日本の人口の1/25の人が暮らしています。

山やフィヨルドによって国土を分断され、人びとの往来が難しかったため、地方紙が発達したそうです。

しかしどんなに小さい地方紙でも国際面の割合が多く、日本のニュースに比べても、国際ニュースの割合が圧倒的に多いのだそうです。

小さな国だからこそ、世界の動きにすぐに影響を受ける。

どんな地方の田舎町に住んでいても、国際情勢には敏感でなくてはならない、というのです。

これらの本は、「世界を動かす作品」「近年で一番大切なヤングアダルト作品」と評価されているそうです。

中高生をお持ちのお母さん、是非お子さんに勧めてください。

そして自らも手にとってみてくださいね。

まだ読んでいない↓も、すぐに読みたい本です。

このTシャツは児童労働で作られました。

シモン ストランゲル/汐文社

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私たちに出来る事 → 本棚からできること



緒方貞子―難民支援の現場から (集英社新書)

東野 真/集英社

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by yomuyomuehon | 2015-10-05 11:13 | 知る