ふるやのもり
読んであげるなら 5、6歳~
(本文の書き出しは、こんな感じ・・・)
むかし、あるむらのはずれに、じいさんと ばあさんが すんでいました。
ふたりは りっぱな こうまを そだてていました。
さて、あめのふる あるばんのこと、うまどろぼうが、その こうまを ぬすもうと、
うまやに しのびこみました。
そして、うまやの はりに のぼって、こっそり かくれていました。
ところが、また やまの おおかみも、この うまのこを とって たべようと おもって、
うまやの どまの わらやまのなかに、ひっそりと かくれていました。
* * * * *
(以下、あらすじです)
そうとは知らない、じいさんとばあさん。
こんな話を始めたのです。
「こんな ばんに、どろぼうでも きたら、こわいなあ」
それを聞いて、にかにか笑う泥棒。
「じいさん、じいさん、どろぼうよりも、なによりも、いちばん こわいもんは、なんじゃ」
「そりゃ、やまの おいぬの、おおかみじゃ」
泥棒はオオカミに来られたら敵わんと思い、一方のオオカミは牙をがちゃがちゃさせて、喜んでいました。
ところがじさんが、ばあさんに同じ事を聞くと、こう答えたのです。
「どろぼうよりも、おおかみよりも、おりゃ、ふるやのもりが いちばん こわい」
それには、じいさんも納得。
さあ、それを聞いた泥棒とオオカミは、震えるほど怖くなって・・・
その内、雨がざんざと降ってきて、古い家のあちこちで、雨漏りがしてきました。
「そら、ふるやのもりが でた!」と叫ぶばあさん。
そのとたん、泥棒の首っ玉に雨漏りが一滴、ぽたん!
「ひゃー、ふるやのもりじゃ」
そして飛び降りたところは、オオカミが隠れる藁山の上。
「きゃー、ふるやのもりじゃ」
慌てて飛び出したオオカミ。
それを、こうまが逃げるのかと思い、慌ててその背中に飛び乗った泥棒。
オオカミは、いよいよふるやのもりに取り付かれたと肝を潰し、死に物狂いで走ります。
泥棒は振り落とされては大変!と、無我夢中でしがみつきます。
こうしてよっぴて駆けるうち、辺りが明るくなって、自分が乗っているのがオオカミだと気付いた泥棒。
さて、どうやって逃げましょうか?(^^)
* * * * *
田島(たしま)征三さんが、24歳の時に、始めて手がけた絵本。
当時、「子どもの本の美しい花園を、芸術家のエゴという泥靴で踏みにじる絵本」などと、新聞の書評に書かれたそうです。
必要以上に、色が渋すぎるという事らしいのですが・・・
しかし田島さんは、
「これは静かな夜の物語でありながら、泥棒とおおかみの鮮烈な戦いがあるんだから、そういう後半の強い動きを内包した静かさでなければならない。その雰囲気を出すためにあえて渋い色を使った」
と言います。
確かに小さい子にとって、あまり興味の沸く色使いではないかもしれません。
二色の泥絵の具を使っただけの絵本です。
そうたも、最近まで、この絵本を開いても、読んでとは言いませんでした。
しかし、今年になって幾度と無くせがまれる、この「ふるやのもり」
闇雲に走るおおかみと、その上にしがみ付く大慌ての泥棒の、迫力とスピード感にすっかり魅了された様子。
表紙と裏表紙を見開くと、泥棒とおおかみの間にもう一匹!?
これは・・・?と思うあなた、是非読んでみてくださいね。
お話はまだまだ続くのよ~!
ちなみに、この「ふるやのもり」は鳥取県の民話だそうですよ。
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それにしても、瀬田貞二さんの言葉使いって、美しいです。
最近歌を作ったり・・・字は読めないのに、たいちに絵本を読み聞かせる事もあるそうた。
一言一句間違えずに「ピンポンバス」を読んでいたのには、正直ビックリ!
絵本を読んであげることで、た~くさんの日本語を学んでいるんですね。
それにはやはり正しい日本語の、そして表現の美しいものを選んであげたいと思う今日この頃です。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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