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絵本のおかあさん ehonkasan.exblog.jp

子どもたちが通った幼稚園で、絵本の読み語りボランティアのお母さんは、『絵本のお母さん』と呼ばれています


by yomuyomuehon
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ちからたろう


いまえ よしとも
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読んであげるなら 5、6歳~


とんと むかし。
それは それは まずしい じいさまと ばあさまが おった。

ふろなんぞ、めったに はいれんもんだから、
からだじゅう こんび(あか)だらけで あった。



二人は、自分達のこんびで小さな人形を作り、『こんびたろう』と名付けた。

『こんびたろう』は、まんまをよう食って、大きくなった。

しかし、大きくなっても泣きもせず、寝たまんま。

何年も過ぎたある日、突然口をきいたかと思うと、百貫目の金棒を作ってくれと言った。

じいさまは財布の底をはたいて注文してやった。

それは、十人の若い衆がやっとこすっとこ担いでくるような、大きく重たい金棒。

『こんびたろう』はそれを杖に立ちあがり、やああっと背伸びをすると、
見上げるようなでかい若者になり、百貫目の金棒を、軽々と振り回して見せた。

「こりゃ もう、こんびたろうで のうて、ちからたろうじゃ。」とじいさまは叫んだ。

「うん、おらも そのほうが ええ。おら、これから たびにでて、このちからが、
どのくらい 人のやくに たつものか、ためしてみたい。」


さて、力太郎が町を目指して行くうちに、
『みどうっこたろう』と『いしこたろう』のと言う名の、二人の子分が出来た。

三人で、のっしじゃんが ずしんと行くと、とうとう大きな町に着いた。

ところが真昼間と言うのに、町には人っ子一人姿を見せん。
どの家も戸をぎっちり閉めて、しゅんとしておる。

どうした事かと、三人は町中を見て廻った。

すると町一番の長者どんの館の前で、きれいな娘が蹲っていた。

「あねこ、あねこ、なんで ないておるのか。」

聞くと、ばけものが怖いと言う。
月に一度やって来るばけものは、町の女を一人ずつ取って行き、今日がその娘の番なのだと。
侍が束になっても敵わない。どうしようも無いのだと。

「そんなことか。
ええども ええども、おらたち 三にんで、ばけものは たいじしてやるから、
なくのはやめて、いえへ つれてってけろ。」


やがて夜になって現れたのは、館よりも背の高い大入道。

みどうっこ太郎、石子太郎と続いて立ち向かったが、何にも出来ん内に、
飲み込まれてしまった。

「よし、こんだ おらが あいてだぞ。」と立ち上がった、力太郎。

散々揉み合ったが、勝ち負けが付かず。

これじゃいかんと思った力太郎は、・・・・

* * * * *

巻末の、田島征三さんのコメントから、

『山奥で育ったので、子供の時から村のお年寄り達の昔話をよく聞きました。
それはおとぎ話として絵本になっているものより、ずっと面白かった。

子供の絵本のおとぎ話が面白くないのは、子供の為にと考えすぎて、
上品な、気の抜けた魅力の無い物になっているからではないでしょうか。

方言丸出しの昔話の中には、祖先のバイタリティーとユーモアが溢れています。

この絵本を描くにあたり、じいさまやばあさまの、煤だらけの炉辺で話すときの、
表情や手振りをそのまま蘇らせたいと考えました。』





まさにその力強くて、土くさい様子が、この絵本の絵には表れていると思います。
そして方言交じりのこの文章は、温かかくてどこか懐かしい感じ。

私は東北地方出身ではないのですが・・・なぜでしょう?

子供の頃、こういった昔話を聞いてきたんでしょうね。

私もそうですが、海外物だったり新しいお話だったり、ついそちらに飛びつきがちな選本です。

今年は昔話をたくさん読むぞ!と誓った年初でしたが、まだまだ少なくて(とほほ・・・)




昨日年長さんに読み聞かせしました。

午前中ずーっと雨で、外遊びが不十分だった子供たち。

「絵本のお母さんがきたよ~!」と言う先生の声掛けに、戻ってくる子は少なくて・・・

今日は読み聞かせしなくてもいいんじゃない?と思うほど、
子供たちは外で泥だらけになって、とっても楽しそうでした。

そんな日に、こんな長いお話読んじゃってごめんね~!

だってそうたがイヤだと言って、読ませてくれないんだもん。

しかし年長さんは流石!
じーっと真剣な眼差しで見つめていましたよ。

『こんび』を『あか』とも、『えじこ』ってのはね・・・なんて説明しなかったけど、
文脈から分かったのかな?

これが年中さんだと、あれはなに?それはなに?って質問攻めに・・・




さて今日は、その年中さんへの読み聞かせ。

あ~、何読もうかな?

夕べは下の息子が、断乳後初めて夜泣きしなかったので私もぐっすり。

練習せず、すっかり朝まで寝てしまいました。






最後まで読んでくださって、ありがとうございます。


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by yomuyomuehon | 2009-06-25 07:01 | 昔ばなし